ここではぷよぷよテトリス(WiiU版、3DS版)におけるぷよぷよVSテトリス(1vs1)の対戦時のおじゃまぷよ算について説明する(ひたすら文字説明のみ)。
この条件での対戦では、おじゃまぷよの発生や相殺が特殊になる。
そのため、計算の仕組みを理解しておくことによって、試合を有利に運べる場合がある。
なお、後の発売されたPS4版やswitch版のぷよぷよテトリスでは、テトリス側攻撃力やおじゃまぷよ落下タイミングに変更が加えられたようである。
ぷよぷよでは連鎖を行うことによって連鎖中の1連鎖毎に攻撃が発生する。
自陣に予告ぷよがある場合は、各連鎖毎に予告ぷよの相殺が行われる。
連鎖の攻撃力が自陣予告ぷよ量を上回っているか、予告ぷよがない時は、テト側フィールドに予告ぷよが発生する。
発生した予告ぷよは連鎖が完全に終了するまでは蓄積のみが行われ、連鎖終了後にテト側フィールド内に現れる状態になる。
テトリスでは、ライン消しを行うことによって攻撃が発生する。
自陣に予告ぷよがある場合は、ライン消しの際に相殺が行われる。
ライン消しの攻撃力が自陣予告ぷよ量を上回っているか、予告ぷよがない時は、潜在攻撃力の増加(フィールド左のランプ点灯)が起こる。
連続でライン消し(REN)をしている時は、相殺またはランプ点灯追加がライン消し毎に行われる。
ランプ点灯状態のときにライン消しにならないようにテトミノを置くと、自陣予告ぷよに応じてランプ減算が行われた後、ランプ数に応じてぷよ側に予告ぷよが発生する(詳細は後述)。
ぷよ側に送られた予告ぷよは、ぷよ側が連鎖中でない限りすぐに降る状態になる。
ぷよ側の予告ぷよは、連鎖中を除く一手後におじゃまぷよとして上から降ってくる。
大量に予告ぷよがあるときは、30個(5段)ずつ降ってくる。
予告ぷよの示すおじゃまぷよ数は、王冠:720個、月:360個、星:180個、岩:30個、大:6個、小:1個。
テト側の予告ぷよは、ぷよ側の連鎖が終了していればREN中であってもせり上がりのおじゃまぷよとして、各段一か所欠けた状態で下から現れる。
欠ける列は若干繋がりやすい(攻撃として転用しやすい)傾向がある。
大量に予告ぷよがあるときは、7段ずつせり上がってくる。
予告ぷよの示すおじゃまぷよ段数は、岩:30段、大:6段、小:1段。
ぷよぷよの連鎖時にテト側へ送られるおじゃまぷよ量は連鎖の点数を基準点を比較することで決まる。
連鎖中の一回の消去ごとにぷよぷよ通のオリジナルのおじゃまぷよ算(詳細は専用ページを参照)に従って消去得点を計算する。
その得点(+持越し点)を、下記の点数表のどこまで到達しているかで発生するおじゃまぷよを決定する。
端数の得点は次の連鎖消去へと持ち越される。
ただし、一連の連鎖が終了すると端数はリセットされる。
基準点が指数関数的に増加するため、発生するおじゃまぷよ段数は7でほぼ頭打ちになる(マージンタイムに入ればそれ以上も多少は出やすくなる)。
基準点と比較すべきn連鎖目の持ち点A(n)は・・・
A(1)=落下ボーナス得点+全消しボーナス得点+1連鎖目消去得点
A(n)=(A(n-1)−(n-1)連鎖消去時の基準点)+n連鎖目消去得点
発生おじゃまぷよ段数 | 必要基準点数 |
1 | 210 |
2 | 630 |
3 | 1050 |
4 | 1710 |
5 | 3500 |
6 | 7000? |
7 | 14000? |
8 | ? |
9 | ? |
4個消しで連鎖した時のおじゃまぷよ段数の目安は下記の表の通り。
連鎖数 | 消去得点 | おじゃまぷよ段数(発生) | おじゃまぷよ段数(累積) |
1 | 40 | 0 | 0 |
2 | 320 | 1 | 1 |
3 | 640 | 2 | 3 |
4 | 1280 | 3 | 6 |
5 | 2560 | 4 | 10 |
6 | 3840 | 5 | 15 |
7 | 5120 | 5 | 20 |
8 | 6400 | 6(持越し点で+1) | 26 |
9 | 7680 | 6 | 32 |
10 | 8960 | 6 | 38 |
11 | 10240 | 7(持越し点で+1) | 45 |
12 | 11520 | 6 | 51 |
13 | 12800 | 7(持越し点で+1) | 58 |
14 | 14080 | 7 | 65 |
15 | 15360 | 7 | 72 |
(全消し) | 2100 | 4 | 4 |
同時消しで点数を上げた場合、おじゃまぷよ発生数を増やすことができるが、基準点の段階が指数関数的なためおじゃま増加数は少なく、無駄が大きくなりやすい。
特に大連鎖領域での同時消しは発生おじゃま数が0〜1個程度しか増えず無駄が大きい(ただし相殺の際は無駄にならない)。
高連鎖領域で同時消しするくらいならば、分割して小連鎖を撃った方が発生するおじゃまぷよ段数が多くなることもある。
攻撃時のおじゃまぷよ量を上げたい場合は、計算判定数=連鎖中消去回数≒連鎖数を上げることが重要になる。
連鎖の点数次第では、大量の点数が次の連鎖消去に持ち越され、次の連鎖消去で発生するおじゃまが増加することもある。
ぷよ側に予告ぷよが存在するときの相殺量は、ぷよぷよ通のオリジナルのおじゃま算に従う。
ただし、相殺おじゃまぷよ量がゼロになるときは、点数に関わらず1個相殺される。
また、攻撃の場合と同様に、一連の連鎖が終了すると端数はリセットされる。
累計の相殺おじゃまぷよ量は、2次関数的に増加する。
4個消し連鎖時の相殺量は下記の表の通り。
連鎖数 | おじゃまぷよ相殺数(発生) | おじゃまぷよ相殺数(累積) |
1 | 0(1) | 0(1) |
2 | 4 | 5 |
3 | 9 | 14 |
4 | 18 | 32 |
5 | 36 | 69 |
6 | 54 | 124 |
7 | 73 | 197 |
8 | 91 | 288 |
9 | 109 | 398 |
10 | 128 | 526 |
11 | 146 | 672 |
12 | 164 | 837 |
13 | 182 | 1020 |
14 | 201 | 1221 |
15 | 219 | 1440 |
(全消し) | 30 | 30 |
相殺可能なおじゃまぷよ量が予告ぷよ量を1個でも上回ると、その時点から相殺した量に関わらず攻撃表に従っておじゃまぷよがテト側に送られる。
テトリスのライン消し時にぷよ側へ送られるおじゃまぷよ量はランプ点灯数に応じて決まっている(点数は無関係)。
累計のおじゃまぷよ量は、比較的緩やかな2次関数的に増加する。
20ランプ以降、n番目のランプ点灯時に発生するおじゃまぷよの追加数は(n-11)個となる。
ランプの最大点灯数は60(おじゃまぷよ1272個相当)となっている(20ランプが並んでおり、一周するごとに緑→黄→赤と変わる)。
ランプ点灯が11(おじゃまぷよ33個相当)以上になると、ぷよ側にアラートが表示される。
点灯数と発生おじゃまぷよ数の関係は下記の表の通り。
ランプ点灯数 | おじゃまぷよ数 |
1 | 4 |
2 | 5 |
3 | 6 |
4 | 8 |
5 | 10 |
6 | 13 |
7 | 16 |
8 | 20 |
9 | 24 |
10 | 28 |
11 | 33 |
12 | 38 |
13 | 43 |
14 | 49 |
15 | 55 |
16 | 61 |
17 | 68 |
18 | 75 |
19 | 83 |
20 | 92 |
21 | 102 |
22 | 113 |
23 | 125 |
24 | 138 |
25 | 152 |
26 | 167 |
27 | 183 |
28 | 200 |
29 | 218 |
30 | 237 |
31 | 257 |
32 | 278 |
33 | 300 |
34 | 323 |
35 | 347 |
36 | 372 |
37 | 398 |
38 | 425 |
39 | 453 |
40 | 482 |
41 | 512 |
42 | 543 |
43 | 575 |
44 | 608 |
45 | 642 |
46 | 677 |
47 | 713 |
48 | 750 |
49 | 788 |
50 | 827 |
51 | 867 |
52 | 908 |
53 | 950 |
54 | 993 |
55 | 1037 |
56 | 1082 |
57 | 1128 |
58 | 1175 |
59 | 1223 |
60 | 1272 |
ランプは連続でライン消しをしているうちは消去ごとに追加点灯していく。
消し方と点灯量の関係は、下記の表の通り。
消し方 | ランプ点灯数 |
1ライン | 0 |
2ライン | 1 |
3ライン | 2 |
4ライン(テトリス) | 4 |
Tスピンシングルmini | 0 |
Tスピンシングル | 2 |
Tスピンダブル | 4 |
Tスピントリプル | 6 |
back to back | 1 |
1〜3REN | 1 |
4〜5REN | 2 |
6〜7REN | 3 |
8〜10REN | 4 |
11〜REN | 5 |
Perfect Clear | 10 |
いくつかが重複しているときは点灯量を全て加算する。
ただし、通常ライン消しとTスピン消しは重複せず、加算は行われない。
テト側に予告ぷよがあり、かつREN中の時は、一回のライン消去ごとに相殺が発生する。
相殺量は、上記のランプ点灯表に従う。
相殺量が予告おじゃまぷよ量を上回っているときは、差分がランプ点灯に変換される。
連続ライン消去が途切れた時に点灯しているランプが存在し、かつテト側に予告ぷよもある場合は、予告ぷよ数分だけランプ点灯数が減算される(内部処理のみで減算の表示はされない)。
減算の結果、ランプ点灯数が1以上であれば、攻撃表に応じてぷよ側へおじゃまぷよが送られる。
試合開始から一定時間(おそらくデフォルトで96秒)経過すると、マージンタイムが発動し、お互いの攻撃力・相殺力が増加する。
ぷよぷよ側の相殺おじゃまぷよ数は、おそらく途中までオリジナルのぷよぷよ通ルールと同じである(レートが16秒ごとに3/4または2/3)。
ただし、おじゃまぷよレートが1まで下がることはないようである。
テトリス側のランプ点灯(潜在攻撃力)については、各消去について通常時よりもランプ点灯数が増加する。
詳細は不明。
1〜8連鎖目に対して基準点との比較が行われ、テト側に26段分のおじゃまぷよが送られる。
1連鎖目は40点でおじゃまぷよは発生せず、40点持越し。
2連鎖目は40+6800点でおじゃまぷよが5個発生し、3340点持越し。
3連鎖目は3340+640点でおじゃまぷよが5個発生し、480点持越し(消滅)。
もし2連鎖目で7000点を超えると、発生するおじゃまぷよの総数は減る(2連鎖目6個で3連鎖目2個)。
相殺表に従って6連鎖目まで相殺が発生し、予告ぷよはすべて消える。
6連鎖目で相殺量が予告ぷよ量を上回るため、6連鎖目の得点を基準点と比較し、テト側に5段のおじゃまぷよが送られる。
(前回のライン消去がテトリスやTスピンでないとき)1回目のテトリスで4ランプ点灯する。
2回目のテトリスはback to backと1RENが追加されるため、4+1+1=6ランプ追加で合計10ランプ点灯する。
その後、ライン消去にならないようにテトミノを置くと、攻撃表に従って28個のおじゃまぷよがぷよ側に送られる。
(back to backなしのとき)Tスピントリプルで予告ぷよが6個相殺される。
相殺後に7段のおじゃませり上がりが発生し、予告ぷよは1個になる。
3ライン消し+1RENの追加点灯数は3だが、1個が相殺されるのでランプが2個点灯する。
その後、ライン消去にならないようにテトミノを置くと、攻撃表に従って5個のおじゃまぷよがぷよ側に送られる。
ぷよの5連鎖終了間際からテト側が攻撃を始めた場合、テト側予告おじゃま10段に対してテトの攻撃はランプ12個相当なので、ランプ2個が点灯し、ぷよ側に5個のおじゃまぷよが送られる。
ぷよ側に予告おじゃまぷよが送られてからぷよが連鎖を始めた場合、ぷよ側予告おじゃま38個(12ランプ相当)に対してぷよの相殺が69個(5連鎖目で上回る)なので、テト側に4段のおじゃまぷよが送られる。
このように攻撃のタイミングによって、攻撃力の逆転現象が発生する。
この現象は、お互いの攻撃力が高くなればなるほど顕著になる。
基本的に、一度自陣側に予告ぷよを表示させてそれを相殺しきって返すのが攻撃効率が高い(待つことによって次の行動が遅くなるので絶対に後発有利とも言い切れず兼ね合いも重要)。
テトがRENを終わらせてからぷよが連鎖を撃つと、ぷよ側に51個のおじゃまぷよが降る。
ぷよが連鎖を終わらせてから、テトがRENを終わらせると、テトに5段のおじゃまぷよせり上がりが発生する。
ぷよが連鎖を終わらせてから、テトが14段受けてRENを終わらせると、ぷよ側に24個のおじゃまぷよが発生する。
このように、テトリスのランプ数MAX付近ではおじゃまぷよの関係が複雑になる。
テトリスに18REN以上があるかどうかやぷよに多連結や同時消しがあるかなどによっても大きく変わってくる。
現在までに得られたデータを基に、少しだけ戦略とバランスについてまとめておく。
完全な解析は行っていないが、全てにおいてテトリス側の方が圧倒的に速い。
ぷよの最速置きとテトリスの上位クラスの積み込みの関係は、ぷよ1手に対してテト2手である。
ぷよのおじゃまぷよ落下はテト2手に相当、ぷよの連鎖消去はテト3手に相当する。
テトのおじゃませり上がりはほぼ一瞬、テトのライン消去はぷよ0.5手に相当、ソフトドロップ+スピンはぷよ1手に相当する。
テトのライン消去とおじゃま発生が速いため、テト側はタイミング次第でぷよ側に1手も置く余裕を与えずにおじゃまぷよを降らせることができる。
ぷよの1連鎖に必要な手数は2手であり、テトの1ライン消去に必要な手数は2.5手である。
攻撃に必要な手数と1手にかかる時間の関係上、ぷよ側に戦略の選択権はない。
テトリスの戦略にぷよが合わせる形となる。
テトリスの戦略としては、大きく分けてTスピンやテトリス消しを中心とした速攻型とREN消しの火力型がある。
速攻型の場合、テトで2列消しに必要な最低手数は5手であり、4列消しに必要な最低手数は10手であるので、ぷよ側にはぷよ3〜5手(おじゃまぷよ落下も含める)ごとに、8個または10個のおじゃまぷよを降らせられる。
テト側にミスや速度低下がなければ、ぷよは5〜6連鎖程度までしか撃つことができない。
6連鎖(おじゃま15段)ではテト側は負けないため、ぷよの連鎖中に次の攻撃を構えて、可能な限りおじゃまを受けてから、構えた攻撃やおじゃま利用RENで反撃すると良い。
火力型の場合、ぷよの大火力に対応するため4列RENが基本となる。
2列や3列のRENではぷよの火力に押し負けてしまう。
17RENで火力MAXまで持っていくことができ、先撃ちでぷよの4個消し14連鎖にも勝つことができる。
そこまでRENを繋げられない場合や、ぷよが大きい多連結14連鎖や15連鎖以上を組んでいる場合は、自由落下によってぷよの連鎖終了を待って後撃ちする(REN終了の2つ手前で自由落下待ちする)ことで有利な状況に持って行きやすい。
特に、おじゃまぷよを2回(14段)受けてからカウンターで返すようにすれば、ぷよが15連鎖を撃ってきた場合ですら17REN以上で有利な状況に持っていくことができる。
ぷよの連鎖を見切れる場合は、ぷよが発火できないタイミングでRENを止めて潰してしまうのも有効である。
ぷよが中規模の連鎖を先に撃ってきた場合は、REN火力が上がる前にぷよの連鎖が終わって致死のせり上がりが発生してしまう場合もあるので、早めのREN開始を心掛けると良い。
対速攻テトに対するぷよの戦略としては、まず普通の組み方ではぷよをまとめきる前に潰されてしまうので(遅い相手ならば普通に組んでも良い)、極力ぷよを3連結にしつつカウンターを組むことになる。
基本的にあまり大連鎖は組めず、うまくやってもマージンタイム持ち込みくらいしか可能性がないが、テト側のミス等で時間に余裕ができて8〜9連鎖を撃つことができれば勝つことができる。
対火力テトに対するぷよの戦略としては、基本的に大連鎖である。
上手いテトプレイヤーであれば高確率で火力MAXにしてくるため、9万点クラスの連鎖は欲しいところである。
また、9万点クラスの連鎖であっても自由落下待ち+14段受けをされてしまうと負けるため、相手のREN進行を良く見て、可能な限り後撃ちする必要がある。
REN止めを得意とするテトが相手の場合、できれば威力を出せるカウンターにしたいところだが、カウンターで9万点以上の飽和を確保するのはかなり難しい。
速攻テトVSぷよの場合、ぷよが完璧なカウンターとおじゃま堀りと攻撃タイミング調整をできるならばそれなりに戦えるかもしれないが、ぷよに要求される技術レベルが高すぎるため基本的にはテトリス有利と思われる。
火力テトVSぷよの場合、ぷよが完璧な凝視と潰し催促対応と大連鎖をできるならばそれなりに戦えるかもしれないが、これまたぷよに要求される技術レベルが高すぎるため基本的にはテトリス有利と思われる。
また、テトリスにはミノ補正が(たぶん)あるのに対し、ぷよには色補正がない(&潰し一発で終わる可能性がある)ため、技術に関係なくぷよ側は内容を安定させ辛く、Tスピン連携やPerfect Clearなどの開幕攻撃に対する対応すらままならない。
これらの理由から、一般的に言われているように、お互いに究めていった場合の力関係はテトリス>ぷよだと思われる。
残念ながら、システムを解析してもテトリス側が有利になる戦略は見つかってもそれに対抗できるぷよの戦略は見つけられなかった。
一応、レート9999付近でなければレート相応に良い勝負はできるので、バランスに関しては割り切って考えるのが良いと思われる。