ぷよぷよ対戦では、大連鎖の組み合いになることがある(むしろこれがメイン?)。
このようにして大連鎖勝負になったときは、当然ながらより大きい連鎖を組めるほうが勝つ。
例えば、平均10連鎖までしか組めない人と平均12連鎖まで組める人が大連鎖勝負をすれば、当然のように後者が勝つ可能性が高くなるわけである。
連鎖を限界まで伸ばしあったときの連鎖数(正確には連鎖の得点)を連鎖飽和数と言うが、大連鎖勝負で勝つにはこの連鎖飽和数を上げれば良いということになる。
そこで今回は、連鎖飽和数をどのようにして上げて、大連鎖勝負で勝つかについて説明する。
まず、大連鎖で「勝つ」ためにはどの位の連鎖を組めば良いかについて説明しておこう。
適当に大連鎖(10連鎖前後)を組んでそれを発動するというのは簡単だが、それは「勝つ」ということにはならない。
基本的に相手側も大連鎖を組んでいるので、10連鎖などを先に発動してしまっては、相手に11連鎖まで伸ばされて負けてしまうだろう。
実際にどこまで連鎖を伸ばせば安定して勝てるのか、というのが重要な問題になってくる。
中級レベルであれば、目安となるラインは6万点(12連鎖相当)である(「フィーバー」の場合は計算が異なるが、やはり11〜12連鎖で勝率5割)。
お互いおじゃまぷよを送らずに大連鎖を組み合っている場合でも、6万点まで連鎖を伸ばせば5割くらいの確率で勝つことができる。
そして、7万5千点(13連鎖相当)なら勝率7割、9万点(14連鎖相当)なら勝率9割というように、13連鎖以上まで伸ばせれば、かなり高い確率で勝てる(あくまで「中級レベル」の場合の目安)。
逆に、5万点(11連鎖相当)では勝率4割、4万点(10連鎖相当)では3割と、11連鎖以下ではむしろ負ける可能性の方が高い。
ということで、最低でも6万点までは連鎖飽和数を上げなくてはならない。
もしここまで連鎖を伸ばせないような組み方をしているようなら、連鎖の組み方を根本から見直すか、絶対に大連鎖勝負に持ち込ませないようにする必要がある。
少なくとも、連鎖飽和数が低いにもかかわらず、適当に連鎖を組めるところまで組んで発動するということを繰り返していたのでは、大連鎖勝負で安定して勝てるようにはならないだろう。
高い連鎖飽和数を確保する上で一番重要なのが、端のスペースの利用効率である。
具体的に言うと、1列目・6列目と右上・左上を利用できているかどうかということになる。
これらの場所を有効に利用できているかどうかで、2連鎖以上の連鎖飽和数の差が生じることも多い。
連鎖飽和数が低い人は、大抵これらの場所がごみぷよ置き場にしかなっていない。
端を有効に利用するには、端を低くしないことが一番大切である。
端の列を高くし、中央の列を低くすることによって、無理なく端のスペースを生かせる。
逆に端が低かったり、中央の列が高かったりすると、ほぼ間違いなく連鎖飽和数が減る。
端を高くすることを常に意識して、端に無駄を作らないようにしよう。
1−A
端に無駄の多いありがちな階段連鎖。 |
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1−B
問題のある部分を白の背景で示した。 |
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1−C
悪かった部分の修正イメージはこのようになる。 |
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1−D
悪かった点を修正して組むとこのようになる。 |
2−A
端に無駄の多い不定形連鎖。 |
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2−B
問題箇所を白背景で示した。 |
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2−C
問題箇所の修正イメージ。 |
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2−D
端を高くして不定形連鎖を組むとこのようになる。 |
連鎖飽和数を落とさないためには、連鎖発動点を高くしすぎないことも大切である。
連鎖の原理上、連鎖発動点よりも低い位置のスペースは、利用が難しい。
実際に試してみれば分かると思うが、一度高くしてしまった連鎖発動点を下げるというのは簡単なことではない。
そのため、あまり早い段階で連鎖発動点を高くしてしまうと、低位置のスペースが使えなくなって連鎖飽和数が減る。
隙の問題もあるので、平坦に組みすぎるのもまずいが、極端に大きな段差は作らないほうが良いだろう。
全消し戦などで、一度カウンターに組んだときに連鎖数を確保しにくくなるのも、このことが関係している。
落ち込んだスペース(特に端)は、早い段階で連鎖尾延長などに利用してしまうと良い(相対的に連鎖発動点を下げる)。
3−A
低い位置を残したまま連鎖発動点を高くしてしまった例。 |
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3−B
どうにか下のスペースを利用して連鎖を組んだもの。 |
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3−C
これも連鎖発動点を早い段階で高くしてしまったもの。 |
4−A
連鎖発動点を高くしすぎた例。 |
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4−B
上の状態から連鎖を普通に伸ばしたもの。 |
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4−C
連鎖発動点を高くしすぎずに、端を高くしたもの。 |
対戦では、おじゃまぷよも連鎖飽和数に大きな影響を与える。
おじゃまぷよが降ればその分だけ色ぷよを置けなくなる。
1段(6個)おじゃまぷよが降れば、最低でも1連鎖半は連鎖飽和数が減る。
フィールドを乱されるので、僅かなおじゃまぷよでも決して無視はできない。
そのため、おじゃまぷよが降った場合、そのまま大連鎖勝負に持ち込んでしまうと連鎖数で負ける可能性が高い。
受けたおじゃまぷよはしっかり消して、それから再び連鎖を伸ばすというのが大連鎖勝負の基本である。
逆に、相手側に少しでもおじゃまぷよを降らせておけば、大連鎖勝負で勝ちやすくなる。
相手におじゃまぷよを送らず、「とことんぷよぷよ」のように大連鎖を組ませてしまうのは、非常に危険である。
5−A
1段のおじゃまぷよが降ったところ。 |
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5−B
おじゃまぷよを消さずに大連鎖を組んだもの。 |
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5−C
降ったおじゃまぷよを消したところ。 |
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5−D
おじゃまぷよを消してから、大連鎖を組んだもの。 |
6−A
おじゃまぷよを1段半ほど受けたところ。 |
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6−B
おじゃまぷよを消さずに連鎖を伸ばしたもの。 |
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6−C
連鎖で攻撃をしながらおじゃまぷよを消したところ。 |
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6−D
おじゃまぷよを消してから大連鎖を組んだもの。 |
大連鎖勝負では上部ギリギリまで連鎖を組むため、上部での駆け引きも重要になってくる。
上部ギリギリのときは、数個のおじゃまぷよを受けただけで連鎖発動できなるなる可能性が高い。
そのため必ず連鎖発動点を確保し、いざというときにはすぐに連鎖発動できるようにしておくことが大切である。
理想的には多色発動にして、欲しい色が来なかったり、相手が潰しを仕掛けてきたりしたときに備えておきたい。
逆に相手が上部ギリギリまで組んでいるときは、単発消しや2連鎖を繰り返して、潰しを狙うのが非常に効果的である。
とにかく相手をよく見て、相手が潰しを打ってこないか、あるいは相手を潰せないか十分注意しよう。
上部での駆け引きは難易度が高いが、これができないと綺麗に大連鎖を組んでも最後の最後で潰されて負けるという悔しい結果になりやすい。
7
潰されにくいように上部を組んだもの。 |
8
6連結の単発消しを仕掛けたところ。 |
上のことに気をつけていれば12連鎖は確保できると思うが、それ以上になると、さらに細かいことにも気をつける必要がある。
その一つが、ごみぷよと多連結である。
ごみぷよが大量に発生してしまうというのは、大連鎖どうこう以前の問題だが、そうでなくても僅かに埋め込まれたごみぷよや5連結も少しずつ連鎖飽和数に影響してくる。
そのため連鎖尾以外の場所では、できる限り4個消しでごみぷよなく消えるようにしたほうが良い。
無理に4個消しにしようとすると隙ができてまずいが、少なくとも無駄なく組めるときは無駄なく組むようにしたい。
5個消しやごみぷよの埋め込みが確定してしまうような組み方は避けるようにしよう。
9
多連結の多い大連鎖。 |
10
ごみぷよの埋め込みが多い大連鎖。 |
上部での置き方の工夫によっても1連鎖くらい連鎖飽和数が増える場合がある。
色ぷよは13段目まで置けるので、この13段目を利用できるとさらに良い。
13段目に置くには、置き手順やぷよの回し方を良く考える必要がある。
置き手順の工夫による方法は、あらかじめ11段目までぷよを置き、欲しい組のぷよが来たときに、その上に立ててぷよを置くことで12段目と13段目を一気に組むというものである。
当然ながら、12段目までぷよを置いてしまうとこの方法は使えないので、13段目に置きたい列では、12段目は置かず、11段目までで組みを止めておく必要がある。
回し方の工夫による方法は、いわゆる昇竜ぷよのことである。
昇竜ぷよによって、ぷよを1段分だけ上に持ち上げることができるので、13段目に置きたい列のそばの列を11段目の高さにしておけば、場外でぷよを操作して、13段目にぷよを乗せられる。
昇竜ぷよの方法は、以下で簡単に説明する。
13段目まで効果的に利用できるようになれば、大連鎖技術に関してはほぼ問題ない。
11
連鎖尾に場外連結を利用したもの。 |
12
13段目をギリギリまで利用した大連鎖。 |
昇竜ぷよの方法については、ここで説明しておく(言葉だけでは分かりにくいので、図と合わせて理解するようにしよう)。
操作できる2個1組のぷよ(以下「組ぷよ」)は、「軸ぷよ」と「回転ぷよ」から成っている。
3列目から組ぷよが落ちてくるときに、下にあるのが軸ぷよで、上あるのが回転ぷよである。
軸ぷよは白く点滅していて(「フィーバー」は除く)、回転操作をすると、これを中心にして回転ぷよが回ることになる。
最初、組ぷよは、軸ぷよが12段目で回転ぷよが13段目になるように出現する。
このときにぷよを回すと、当然、回転ぷよが11段目から13段目の間を行ったり来たりすることになるが、そのままでは12段目まで組んである列の13段目には乗せることはできない。
13段目に乗せるためには軸ぷよを13段目に持ち上げる必要がある。
そこで重要になるのが、回転ぷよによる壁(床)蹴りである。
軸ぷよが壁に接した状態で回転ぷよを壁の側に回そうとすると、強制的に軸ぷよが逆側に押し出されて、回転ぷよがその間に潜り込む形になる(これを「壁蹴り」という)。
この要領で、12段目の高さのところで組ぷよを半回転させて、床(11段目)を蹴るようにする。
すると、回転ぷよが軸ぷよの下に潜り込み、軸ぷよが13段目に持ち上がる。
そして、軸ぷよが13段目にある状態の時に、組ぷよを横に倒して、乗せたい列の13段目にぷよの片方を引っ掛ける。
片方が引っ掛かっていると、ぷよが接地されるまで落ちないようになるので、必要ならば、さらに横移動や回転を行う。
この一連の操作を、「昇竜ぷよ」という。
昇竜ぷよは、壁(床)蹴りと引っ掛けさえしっかり理解していれば普通にできるようになる。
「通」の場合は、クイックターン(壁に挟まれた場所で半回転)でも軸ぷよを持ち上げることができるので、これも覚えておくと良いだろう。
13−A
昇竜ぷよをしようとしているところ。 |
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13−B
回転ぷよを軸ぷよの下に潜り込ませて軸ぷよを持ち上げる。 |
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13−C
軸ぷよが13段目に持ち上がった。 |
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13−D
回転ぷよが5列目の13段目に引っ掛かった。 |
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13−E
無事に5列目に黄ぷよが乗ったところ。 |
14−A
昇竜ぷよで黄を5列目に乗せようとしているところ。 |
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14−B
11段目まで積んである4列目で、軸ぷよを持ち上げる。 |
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14−C
横移動と回転を同時に行って軸ぷよを5列目に乗せる。 |
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14−D
うまく軸ぷよを4列目に乗せられたところ。 |
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14−E
無事連鎖を完成させたところ。 |
技術ではないが、連鎖飽和数は戦型(連鎖全体の型)によっても変化するということも覚えておく必要がある。
プレイヤーの技術にもよるが、戦型と連鎖飽和数の一般的な関係は以下のようになっている。
カギ連鎖 > 階段連鎖 > 準不定形連鎖 > 完全不定形連鎖 > カウンター
定形の連鎖は、隙間なく連鎖を組んでいくので連鎖飽和数が高めである。
逆に不定形の連鎖は、無駄スペースが生じたり多連結になったりで定形連鎖よりは連鎖飽和数が少なくなりやすい。
そのため、不定形連鎖で定形連鎖を相手に大連鎖勝負に持ち込むというのは、自然と不利になりやすい。
連鎖飽和数の高い戦型は隙も大きいので、戦型の相性で大連鎖勝負が不利になるような場合は、大連鎖勝負に持ち込ませずに潰す(あるいは催促をかける)というのが基本である。
連鎖飽和数の相性で有利なら大連鎖、不利なら潰しというように自分の戦型の長所を生かせるようにしていこう。
むやみに大連鎖勝負に持ち込んで、作戦負けになるようではいけない。
15
カギ組みによる大連鎖。 |
16
不定形の大連鎖 |
さて、ここまで連鎖飽和数を上げるための技術の紹介をしてきたが、最後に注意点について説明しておこう。
それは、「大連鎖勝負は危険」ということである。
いくら技術があっても、上部で欲しい色が来なくて自滅するということもある。
相手側に都合の良いぷよばかりが来て、15連鎖まで伸ばされしまうということもあるかもしれない。
結局、大連鎖勝負は運に左右される部分が大きいのである。
そんな大連鎖勝負をするくらいなら、相手の隙を狙って潰しや催促をした方がよっぽど安定して勝てる。
ある程度の大連鎖は必要だが、あまり大連鎖にこだわりすぎないほうが良い。
大連鎖勝負を避けるのも大切ということを忘れないようにしよう。
大連鎖勝負するにしてもしないにしても、やはりある程度の連鎖飽和数は必要である。
仮に催促で相手の本体連鎖を発動させても、相手以上に連鎖を伸ばせなくては意味がない。
最低でも12連鎖までは安定して組めるように練習と研究を重ねよう。
これができるようになってやっと最後の基本技術である「催促」への道が開かれてくる。
また、大連鎖で勝つというのはぷよぷよの面白さの一つでもある。
しっかりと連鎖を伸ばして、勝てる大連鎖を打てるようにしていこう。