これまではあまり説明してこなかったが、ぷよぷよ対戦では速度がとても重要な位置を占めている。
例えば、5連鎖までしか組めないが最速で組める人と、10連鎖まで組めるが組み速度がその半分の人が対戦すれば、ほぼ間違いなく前者が勝つ。
10連鎖まで組む技術があっても、3連鎖くらいまで組んだところで相手が攻撃を開始してくるので、とても10連鎖など組めたものではない。
つまり、いくら連鎖技術があっても、速さがなくてはほとんど意味がないのである。
これまであまり速度について説明してこなかったのは、普通に練習をしていれば自然とある程度までは速度が上がってくるためである。
しかし、対戦のレベルが高くなってくると、1手2手の差が勝率が大きく左右するので、「ある程度」の速さでは話にならない。
実際に、「あと1手置ければ勝てた」というような経験のある人も多いだろう。
そこで今回は、速度の概念と速度を上げる方法について説明する。
まず「速い」ということがどういうことなのか理解しておこう。
組みが速ければ、それだけ多くの量の色ぷよを確保できる。
組みの効率にもよるが、基本的におじゃまぷよの発生量は色ぷよの消去量の2乗に比例するので、色ぷよの量の多さは潜在的な攻撃力の高さを表している。
つまり、組みの過程においては「速さ=色ぷよ量=攻撃力」ということである。
速ければそれだけ威力の高い攻撃ができるので、それだけで有利になれる。
実際に、極端に遅い相手には大連鎖など組む必要はなく、速攻だけでも攻撃力の差によって簡単に勝てる。
1
序盤で組みの進行度に差が生じてしまっている状態。 |
速さは組み過程だけではなく、連鎖の過程においても重要な意味を持つ。
連鎖中は、自分は一切の操作ができなくなるが、一方で、相手はこちらの連鎖が終わるまで自由に行動できる。
連鎖によっておじゃまぷよを送っているとはいえ、相手に一方的に行動されるというのは、かなりの危険を含んでいる。
そこで、もし連鎖時間を短くすることができれば、自分の操作不可能時間と相手の自由時間を同時に減らすことができる。
そうすれば、相手がこちらの攻撃に対応しきれなくなる可能性が高くなるし、もし相手に何か行動を起こされても自分はすぐに次の行動に移れる。
つまり、連鎖が速くなることによって、より勝ちやすく、より負けにくくなるわけである。
このように、連鎖中であっても速さというのは重要で、場合によっては連鎖の威力を落としてでも速さを優先しなければならないこともある。
2
2連鎖ダブルを発動したところ。 |
時間的進行度(=組みの進行度)に影響を与える要素は速さだけでなく、消去行為そのものにもある。
ぷよを消すというのは、フィールドの上の色ぷよが減ることなので、時間の流れが逆転しているのと同じことであり、大きな時間的遅れを生じる。
しかし、ぷよを消すことによって相手フィールドにおじゃまぷよを降らせることもできるので、単に遅れるだけというわけでもない。
ぷよを消して攻撃するということは、時間的な遅れと引き換えにフィールドで有利になることである。
おじゃまぷよを相手に降らせれば、フィールド的には有利になっているが、時間的には不利になっている。
このことを考えた上で攻撃を仕掛けなければ、時間的な遅れによって逆に不利になってしまうことすらある。
3
緑を単発で消したところ。 |
4
1段半のおじゃまぷよを受けたところ。 |
実際にどこをどのようにして速度を上げていくかについて、以下で具体的に説明する。
重要なものから順に、少しずつ意識するようにしていこう。
なお、ここでは斜め入力があるということを前提にする。
斜め入力に限らず、速度関連のシステムやバランスはシリーズ間・機種間で差があり、一見同じルールに見えてもゲームバランスが異なることも多いので、注意が必要である。
組みの速度に一番大きな影響を与えるのが、この自由落下時間である。
自由落下というのは下入力をせずに、ゆっくり組ぷよを落とすことである。
自由落下をすると、それが一瞬であっても、組みはかなり遅れる。
下入力をすることによって高速落下になり、速く組めるようになる。
対戦では、この自由落下時間をほぼゼロにするというのが重要になる。
すなわち、ほぼ常に下を押した状態で組み続けるということである(上部を組むときや相手を見るときはその限りではない)。
慣れによってある程度までは自由落下時間が短くなるが、自由落下をゼロにするとなると、かなり練習が必要になる。
常に高速落下で組むには、まず、組みに十分慣れていなければいけない。
連鎖の形が頭に入っていなく、良く考えなければ組めないような状態では、高速落下での組みは不可能である。
階段連鎖やカギ連鎖だけを組むなら数種の形が頭に入っていれば十分だが、完全な不定形の連鎖を組もうとするなら、相当の数の連鎖の形を頭に入れておく必要がある。。
慣れない形や見たことのない形が出てきて戸惑うといったことのないように、普段から色々な形の連鎖にチャレンジしておくと良いだろう。
5
混乱して手が止まりやすい状態。 |
基本的なことだが、回転方向を使い分けるというのも、常に高速落下で組むには必要なことである。
左回転1回で済むところを、右回転3回というような操作をしていたのでは、組ぷよが接地するまでに回転が間に合わず、自由落下せざるを得ないような状況になってしまう。
ここまで来てそういった操作をしている人はあまりいないと思うが、もし片方の回転しか使ってないようなら、ここでしっかり直しておこう。
後で説明するが、回転方向を使い分けることは、組みの正確性を上げるためにも必要になってくる。
6
回転方向の使い分け。 |
自由落下をなくすためには、NEXT2を見てから置く場所を決めないということも重要になってくる。
NEXT2まで考慮した上で現在手の置く位置を決めれば、2手先の形まで予想して組めるので、より良い組みをすることができる。
そのため、しっかりNEXT2まで判断してから置いているという人もいるかもしれない。
しかし、人の判断速度には限界があるので、現在手が操作可能になってからNEXT2を判断するまでには時間がかかり、その間は自由落下することになってしまう。
そして、それを毎回やっていたのでは、それだけで組みが大きく遅れる。
常に下押しで組んでいくには、基本的にNEXTまでの範囲で置く場所を決め、操作可能になったと同時に横移動操作と回転操作を開始しなくてならない。
NEXT2はもちろん見るが、原則として、それはNEXTぷよの置き場所を決めるためにに見るのであって、現在手の置き場所を決めるために見るのではない。
ただし、NEXT2を判断した瞬間に(この時点で既に半分くらい操作が進んでいる)、現在手の置き場所を変えた方がずっと良い形になることに気付いた場合は、少し自由落下してでも置き場所を変えた方が良い(と思う)。
7
NEXT2の扱い方。 |
8−A
NEXT2を判断して置き場所を変える場合の例。 |
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8−B
途中まで操作を進めたところ。 |
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8−C
1手置き終わったところ。 |
自由落下時間をなくす際にもう一つ問題になるのが、組みの正確性の低下である。
簡単に言うと、高速で組むことによって、置きミスが生じやすくなるということである。
落下が遅ければ、操作の途中でミスをしても、それに気付いて逆操作してミスを修正するのはたやすい。
しかし、高速落下で組んでいると、ミスに気付かない、あるいはミスに気付いても修正する前に接地してしまうということが起こる。
いくら速くぷよを置けても、ミスによって組みが崩壊してしまったので意味がない。
速さを落とさず、正確に置きたい場所に置けるようにしなくてはいけない。
置きミスが生じる一番の原因は横移動ミスによるものである。
5列目に置きたかったのに、6列目に置いてしまったというようなケースである。
このミスが発生しやすい原因は、許容される横入力時間の短さにある。
横移動1マスに0.1秒かかるとすると、4列目に移動するには0〜0.1秒間右入力、5列目なら0.1〜0.2秒間、6列目ならば0.2秒以上である。
6列目に移動したいなら右をずっと押したままで良いが、4列目や5列目のときは、入力時間がわずかに長かったり短かったりしただけで簡単にミスに繋がってしまう。
慣れの問題もあるが、これについては壁と回転方向を意識することで、ミスの確率を減らすことができる。
まず、高く積んだ列や壁の隣に置きたいときは、その壁に押し付けるように横移動させると良い。
そうすることで、横入力したまま落下させるだけで安全に置くことができる。
また、壁から1列離れたところに置きたいときは、落下の途中に壁を蹴る操作を挟むようにする。
こうすることで入力許容時間が伸び、間違って端まで移動しきってしまうような可能性が低くなる。
とにかく、入力許容時間が一番長くなるような置き方をするというのが基本である。
しっかり回転と横移動を連携させて、思い通りの列に移動できるように練習しておこう。
操作が安定すれば、それまで操作に向けていた分の意識を他に回すこともできるので、スピード以外の部分の強化にも繋がる。
9−A
挟み込みで連鎖を組んでいるところである。 |
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9−B
半回転置きのときの操作。 |
10−A
階段連鎖を組んでいるところ。 |
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10−B
無回転置きのときの操作。 |
11−A
不定形連鎖で連鎖を組んでいるところ。 |
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11−B
安定した置き方のないケース。 |
回転ミスはそれほど発生頻度は高くないはずである。
回転操作は、横移動と違って回数式(デジタル式)であり、押す回数は間違えないので、回転操作そのものによるミスは起こりにくい(コントローラーに不具合がなければ)。
回転でミスが起こる原因として考えられるのは、組ぷよが操作を受け付ける前に回転ボタンを押してしまい、回転数が一回減ってしまうケースである。
前の組ぷよ接地から次のぷよが操作可能になるまでの時間(接地時間)をしっかり把握し、テンポ良く操作できるようにしておこう。
また、回転操作を受け付けなかったことは上部で分かるので、接地までに修正することはさほど難しくない。
12
現在の組ぷよが接地した瞬間。 |
見間違いによるミスは、意外にも起こりやすい。
人が人である以上見間違いは起こるので、ある程度は仕方ないものと考えるしかない。
しかし、起こりやすい見間違いというのは決まっているので、そこにさえ気を付けていれば、かなりのミスを防げる。
上下の色を逆のものと勘違いするというのは、一番起こりやすい見間違いであると言える。
NEXTぷよとNEXT2ぷよを逆と勘違いするというのも時々起こる。
組ぷよは見間違えなくとも、フィールドのぷよの色を見間違えて、変なところを消してしまうというようなこともかなりあるだろう。
どれについても、特に効果的な対処法というのはないのだが、それらの箇所で間違いやすいことはしっかり認識しておこう。
13−A
階段連鎖を組んでいるところ。 |
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13−B
いろいろ考えていると色が分からなくなって、このように上下逆に置いてしまうことがある。 |
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13−C
正しい置き方はこのようになる。 |
意図しない落下や接地によるミスというものもある。
乗せたいところに乗せる前に低いところまで落ちてしまったり、乗せたくもないところに乗ってしまったりということである。
こういったミスを防ぐには、とにかく高く積まれた位置をしっかり把握しておくことが重要になる。
下移動・横移動・回転の速度関係から、高速落下したまま組むのが無理そうなら、多少自由落下することはやむを得ない。
例えば、6列目の11段目に下押ししたままで置こうとしても無理な話で、当然6列目に移動する前に10段目以下に落下し、6列目には置けなくなる。
さすがに、ここまで明らかな場合はミスしないが、6列目の8段目に置く場合のような、横移動や回転がギリギリになる高さのときは注意が必要である。
また、3列目が11段目まで積んである場合は、「意図しない接地=自滅」なので、特に気を付けよう。
できれば、どの列のどの段までなら高速落下のままで組めるかを試しておくことが望ましい。
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黄黄を6列目において、折り返しを完成させようとしているところ。 |
操作の安定性は、実戦では、迷いや焦りといった精神面にも大きく左右される。
どこに置くかはっきりしないまま次の組ぷよが落ちてきたり、相手から不意の攻撃を受けたりすると、その迷いや焦りのせいで普段ミスしないようなところでミスをする。
上級者同士の戦いになると、精神的な強さがそのまま対戦での強さになってくることも珍しくないようである。
しかし、精神面を鍛えるのは容易ではないし、そこまでいくとレベルが高すぎるので、これについては、とりあえず気にしないでおこう。
基本的にどんなミスにも原因があるので、その原因をしっかり突き止め、対策を考えることが大切である。
ミスをしたときに、「運が悪い」とか「次は気をつけよう」で終わっていたのでは、いつになってもミスは減らない。
また、ミスは減らすことはできても、完全になくすことはほぼ不可能である。
ミスをしたときに、それを修復するというのも重要な技術であることを忘れてはならない。
ミスのせいで置き場に困って、手が止まるといったことのないように練習を重ねよう。
置きミスをしたときに、いかにもミスをしていないかのように振舞ったり、戦略の方針を変えたり(潰しに変更するなど)というのも、実は重要なことである。
本当は操作関連のミス以外にも、連鎖構造上間違った置き方をしてしまう(連鎖を伸ばせなくなる、暴発を引き起こすなど)という場合もあるが、これについては、速度の問題というよりも連鎖力の問題なので、ここでは触れないこととする。
ぷよ操作時に下入力すると、ぷよを高速で落とすことができる。
この高速落下の時間を短くすることができれば、より速くぷよを置いていける。
とは言っても、高速落下の速度そのものを上げることはできない。
高速落下時間の短縮は、落下距離を短くすることで可能になる。
すなわち、高い位置にぷよを置くことで落下距離は短くなり、高速落下時間を短くできる。
例えば、1段目にぷよを置く場合と、7段目にぷよを置く場合では、高速落下時間は2倍も違ってくる。
このように、高速落下時間の短縮の効果はかなり大きく、すぐに組み速度の大きな差となって表れる。
一刻も早い連鎖発動を迫られているようなときにも、高い位置にぷよを捨てていくと、より多くの組ぷよを引けるので、間に合う可能性は高くなる。
なお、高い位置の端(6列目の11段目など)にぷよ置く場合、高速落下したまま置けなくなるので、そのような場合は横移動距離が落下距離よりも重要になってくる(斜め移動がない場合は、常に横移動距離が速さに影響する)。
15
赤黄を置いて連鎖を組み進めようとしているところ。 |
16−A
平たく5連鎖を組んだもの。 |
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16−B
高く5連鎖を組んだもの。 |
17−A
低い位置で小連鎖を発動したところ。 |
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17−B
高い位置で小連鎖を発動したところ。 |
18
相手の速攻を受けて埋まったところ。 |
高速落下時間を短くするには、半回転置きも有効である。
半回転時は回転ぷよが軸ぷよの下にくるので、1マス分落下距離が短くなり、わずかに高速落下時間が短くなる。
わずかな差ではあるが、何度も蓄積すれば1手以上の差になってくる。
無理することはないが、無回転でも半回転でもどちらでも良いときは、できるだけ半回転置きを優先しよう。
特に、2個同色の組ぷよ(いわゆるゾロ目ぷよ)を縦置きにする場合は、半回転置きが基本になる。
ただし、高い位置に置く場合は、半回転がミスに繋がることもあるので、無理に半回転する必要はない。
19−A
開幕2手で全消しになるケース。 |
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19−B
ゾロ目ぷよを2つとも半回転して、そのまま3列目に落とすのが一番速い。 |
20−A
不定形の連鎖を組んでいるところ。 |
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20−B
2列目→6列目の順で置いたところ。 |
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20−C
6列目→2列目の順で置いたところ。 |
段差のあるところで組ぷよの片方を引っ掛けると、足場のない方のぷよ切れてが千切り(「ちぎり」と読む)落下状態になる。
この千切り落下状態のぷよの落下速度は、実は高速落下速度よりも遅い。
ぷよぷよのシリーズによって差はあるが、だいたい2倍くらいの差があると考えておこう。
その落下速度の差の結果、千切りの段差と同等のマス目分の速度差が生まれる。
速度差は段差に比例するので、大きい段差での千切りはできるだけ避けたほうが良い。
これも一回だけならば大したことはないが、何度も蓄積するとかなりの差になる。
また、千切り落下における落下距離は、低い方の位置で判定されるので、千切ることによって落下距離が長くなることもあり、これも遅れを生じる原因となるとなる。
さらに、千切り落下中は操作不能なので、千切っている最中に相手が何かしてきた場合、少し対応が遅れてしまうということにも注意しよう。
21−A
無駄に千切って連鎖を発動したところ。 |
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21−B
千切らずに連鎖を発動したところ。 |
22−A
折り返しを組もうとしているところ。 |
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22−B
1手目で緑を6列目に引っ掛けて、折り返しを組んでいる。 |
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22−C
千切らずに折り返しを組んだもの。 |
千切りを減らすことによって組みを速くすることはできるが、こだわりすぎるのもあまり良くない。
千切らずに組もうとすると、ぷよの置き方の制約によって、組みに隙が生まれることが多い。
これについては異論もあるかもしれないが、筆者は、組みを乱してまで千切りをなくす必要はないと考えている。
組みに隙ができて潰されたのでは速く組めても意味がないし、組みが乱れた結果、後で結局千切らざるを得なくなったのでは組みの乱れだけが残ってしまい、それこそ無駄である。
千切りに関しては、上級レベルになれば常に意識しなければならないが、中級レベルまでであればそれほど無理をすることはないだろう。
とりあえずは、千切ることによって形が良くなるなら千切る、千切っても千切らなくても結果が変わらないなら千切らない、という程度の意識で良いと思われる。
23−A
千切って折り返しを完成させているところ。 |
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23−B
千切らずに折り返しを完成させているところ。 |
おじゃまぷよの落下が確定すると、組ぷよが落ちてくる代わりにおじゃまぷよが落ちてくる。
そして、おじゃまぷよが落下している間、組ぷよを操作できなくなる。
このため、おじゃまぷよ1回の落下に対して、約1手の遅れが生じる。
おじゃまぷよが降るということは、相手が色ぷよを消しているということでもあるので、全体としては遅れないことが多いが、おじゃまぷよの落下が遅れる原因になるということは知っておいた方が良い
例えば、同じ数だけ消したのに、落下得点の差で1個ぷよが降るといったような場合は、それがそのまま1手の差となって表れる。
そして、おじゃまぷよ落下による遅れが一番重要になるのが、潰しの連携のときである。
1回目の攻撃によるおじゃまぷよが落ちている間は、攻撃側のみが組ぷよを操作できる状態になるので、そこですぐに次の攻撃を仕掛ければ、普通の潰し以上に相手の対応時間は短くなる。
このおじゃまぷよ落下時間は、基本的に短くすることができないので(低い位置を埋めれば少し短くなるが、逆に不利になる)、おじゃまぷよを降らせないように気を付けるしかない。
24
31個のおじゃまぷよが送られてきたところ。 |
25
2段程度のおじゃまぷよが送られてきたところ。 |
26
序盤で全消しを取り合っているところ。 |
操作していた組ぷよが土台とくっつき、操作できなくなることを「接地」と呼び、このときにぷよが揺れるモーションが起こり、一瞬操作不能になる。
基本的にこの接地モーションは、1手ごとにかならず発生するものであり、この時間を短くすることはできない。
ただし、「通」(の一部?)では、「接地キャンセル」というテクニックがあり、これによって接地モーションを完全にゼロにすることができる。
詳しいことは知らないが、段差のあるところで、高速落下状態の組ぷよを横からスライドさせるように置くことで、接地モーションをキャンセルできるようである。
キャンセルに成功すれば、2マス分くらい組みが速くなる。
その気になれば何度でもできるので、これを繰り返せば、組みの速さにかなりの差が表れる。
もともとはプログラム上のバグによるものらしいが、「通」の上級者の間では普通に使われているテクニックである。
ただし、難易度が高く、ミスに繋がる可能性がある上に、これが可能なぷよぷよのプログラムも限られている。
中級レベルまでならば、接地時間の短縮まで気にする必要はない。
27−A
接地キャンセルの流れ。 |
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27−B
接地キャンセルの流れ(続き)。 |
ぷよが4つ繋がると、ぷよの消去モーションが起こり、ぷよが消える。
この消去モーションが結構長く、ぷよの消去速度に一番影響を与える。
ぷよぷよのシリーズによって差はあるが、だいたい一回の消去が1手〜2手程度の時間に相当する。
例えば8連鎖なら、10手分以上の時間になり、この間に連鎖を受ける側はどんどん連鎖を組める。
この消去時間による時間差を生かした戦法が催促であり、これについては次回に詳しく説明する。
この消去時間自体はどうやっても短くすることはできないが、連鎖数を減らせば、減らした分だけ消去時間がなくなる。
潰しの考えはこれに基づくもので、消去時間を極端に短くして、相手に対応の余裕を与えないようにしているわけである。
また、潰しだけでなく、催促を中心とした時間差戦法においても、連鎖数を減らすことは大きな意味を持つ。
ここでは詳しい説明はしないが、小連鎖にしても大連鎖にしても、わざと連鎖尾を同時消しにすることで、わずかな威力の低下と引き換えに、時間的に有利な状況を作り出すことができる。
連鎖尾同時消しによって消去時間を短くする方法は非常に重要なので、その意味をしっかり理解しておこう。
28
連鎖尾を同時消しにして連鎖時間を短くした形。 |
連鎖をすると、ぷよの消去モーション後に、消えた分だけ上からぷよが落ちてくる時間が生じる。
この連鎖中落下時間もわずかではあるが、連鎖の速さに影響を与える。
階段連鎖であれば、一回消えるごとに3段分の落下を伴うので、速度的に少し不利な連鎖ということになる。
ぷよの消去の後に落下する距離が短いほど、連鎖中落下時間は短くなるので、そのような形の連鎖を組めばその分速くなる。
とはいっても、消去時間に比べると影響度は小さいので、それほど気にすることはない。
むしろ、無理に連鎖中落下時間を減らそうとして、連鎖の形が制約を受けてしまうことの方が問題である。
ただし、速さの要求される潰しでは、この連鎖中落下時間が勝敗を決めるようなこともあるので、頭の片隅には入れておこう。
なお、「フィーバー」では、連鎖中落下時間が落下距離だけでなく、落下するぷよの個数にも影響される。
「フィーバー」で、上に大量に積まれたぷよを下の方から消すということをすると、かなり遅くなるので気を付けよう。
29−A
単発の大量消しを仕掛けたところ。 |
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29−B
同じく、単発の大量消しを仕掛けたところ。 |
30
上に大量に積まれたぷよを下から消して連鎖にしているところ。 |
ぷよぷよ対戦では速さは絶対に必要なものである。
特に次回紹介する「催促」では、わずかな速さの違いがそのまま勝率に表れる。
相手より速く組めるというほどまではいかなくとも、遅れないようについていかなくてはならない。
2手がぷよの個数で1連鎖に相当するので、2手遅れたら既に不利だと思った方が良い。
速さを上げようとすると、組みが乱れたり相手を見られなくなったりして、安定するまでが大変だが、練習を重ねて少しずつ速さを上げていこう。