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ぷよぷよ

― 催促をかける(応用編) ―

 

基礎編」では、催促の原理と基本的な催促の流れについて説明した。
しかし、実戦では相手も催促への対策を取ってくるので、一回の催促ですぐに有利になれるとは限らない。
催促に対しては様々な返し技があるので、レベルの高い対戦では、そのような切り返しを考えずに適当に催促すると、逆に不利になってしまうことすらある。
そこで、この応用編では催促を中心とした高度な戦略について説明する。
これをしっかりマスターすれば、催促でより安定して勝つことができるようになるはずである。
ただし、かなり難解な内容になるので、これまでの技術に自信がない場合は、無理せず基礎固めを優先しよう。

 

受け流し

相手の催促に対して本体や副砲を打たずに、おじゃまぷよ降らせるのが受け流しという技術である。
受け流しをすると相手だけが一方的に遅れるので、時間的な有利状態を作ることができる。
この時間差を利用して反撃(催促)することで、自分に有利な展開に持っていく。
特に相手の催促が小さいときは、本体連鎖の発動よりも受け流しの方が有利になりやすい。
また、自分の組みが遅れているようなときも、積極的に受け流しをして時間差をなくす方向に持っていくと良いだろう。
ただし、受け流しでは、おじゃまぷよを降らせることによって形が悪くなる危険もあるので、その点は注意が必要である。
受け流しをする前には、可能な限り形の整備(段差を作るなど)をしておこう。

受け流し1−催促発火(1P) 受け流し1(2P)
1−A

1Pが2連鎖の催促を仕掛けたところ(2連鎖目)。
遅れは少ないが、威力が低い。
この催促に対する2Pの対応の仕方が勝負を左右する。
 

受け流し1(1P) 受け流し1−本体発火(2P)
1−B

2Pが本体連鎖を発動したところ。
連鎖発動点が露出しているので、2Pは本体連鎖を打つことも可能である。
しかし、1Pの時間的遅れは小さいので、少し伸ばされるだけで、簡単におじゃまぷよを返されてしまう。
この場合は、1Pが非常に有利になる。
 

受け流し1(1P) 受け流し1−受け流し(2P)
1−C

2Pが本体連鎖を発動せずに、おじゃまぷよを受け流したところ。
本体連鎖の発動点が露出しているので、追撃をされても大丈夫である。
おじゃまぷよを降らせたことにより、2Pが時間的に大きく進んでいる。
この時間差を利用して催促を仕掛ければ、2Pは一気に有利になれる。
このように、受け流すことで時間の利を得るのが、受け流しの考え方である。
 

受け流し2  

少し大めのおじゃまぷよを受け流したところ。
段差を作っておけば、数段のおじゃまぷよも受け流せるようになる。
おじゃまぷよを多く受け流せば、より大きな時間的有利状態を作ることができる。
しかし、おじゃまぷよをたくさん受けてしまうと立ち回りが難しくなるので、そこは注意が必要である。

受け流し3  

連鎖発動点が埋まってしまう場合の受け流し。
本体連鎖が埋まってしまうときでも、すぐに本体連鎖を繋げられる形であれば、受け流しは可能である。
しかし、相手が潰しの連携を狙っているときは、このような受け流しをしてはいけない。

受け流し4  

連鎖発動点が深く埋まってしまう受け流し。
これは、受け流したというより潰されたということになる。
ここまで埋まってしまうと、相手の大きい追撃(4連鎖等)に対して本体連鎖の発動が間に合わなくなるので、勝てる見込みはかなり低い。
このような形にするくらいなら、本体連鎖を打つべきである。

 

受け流し後の戦略は非常に難しく、読み合いになることが多い。
受け流した側は時間的に進んでいるため、催促が非常に有効になっている。
一方で、先に催促をした側は、遅れているので基本的に追加攻撃を仕掛けることはできず、相手からの攻撃(催促)への反撃という形で攻めることになる。
時間的にはおじゃまぷよを受け流した側が有利で、フィールド的には催促をした側が有利であるということに気を付けよう。
受け流し後の攻めの主導権は受け流した側が握っているので、全体的には受け流した側が若干有利になっていることが多い(形や攻め方次第でもあるが)。

受け流し後の戦略1(1P) 受け流し後の戦略1−受け流し(2P)
5−A

2Pが1Pの催促を受け流したところ。
2Pが時間的に大きく進んでいる。
ここからどのように仕掛けていくか、お互いに十分注意が必要な状態である。
しっかり相手を見て、相手が何を狙っているのかを判断しよう。
 

受け流し後の戦略1(1P) 受け流し後の戦略1−本体発火(2P)
5−B

2Pが本体連鎖を発動したところ。
これでは、わざわざおじゃまぷよを受け流した意味がない。
1Pは少し連鎖を伸ばすだけで、簡単に勝てる。
一般的には、受け流し後にそのまま本体連鎖を打つのは悪い攻めである。
しかし、相手が反撃(逆催促)を狙っているときに、その逆を突いて本体連鎖を打つのは有効になる場合がある。
 

受け流し後の戦略1(1P) 受け流し後の戦略1−大連鎖発火(2P)
5−C

2Pが連鎖を伸ばして、そのまま連鎖を発動したところ。
おじゃまぷよを受けている分、2Pは連鎖飽和数が低くなっているので、これも良くない攻めである。
伸ばし合いでは、おじゃまぷよを受けていない1Pの方が有利である。
 

受け流し後の戦略1−逆催促(1P) 受け流し後の戦略1−催促発火(2P)
5−D

2Pがおじゃまぷよを巻き込んで催促を仕掛けたところ。
受け流し後は、このように催促を仕掛けるのが一番有効な攻めである。
それに対して、1Pは2連鎖トリプルを重ね、さらにおじゃまぷよを降らせようとしている。
これは、受け流し後の催促に対する有効な反撃手段の一つである。
しかし、再びおじゃまぷよを降らせるということは、遅れが拡大し、有効催促量を超える可能性が高いということでもある。
潰しを重ねる場合は、潰せなければ負け確定になる可能性が高いということに注意しよう。
この場合、1Pの2連鎖トリプル(同色含む)は威力不足で、1Pは時間的な不利だけを残す形となってしまう。
 

受け流し後の戦略1−カウンター催促(1P) 受け流し後の戦略1−催促発火(2P)
5−E

2Pが2連鎖で催促を仕掛けたところ。
それに対して、1Pは2列目を高くして受け流し(カウンター催促)の体制に入っている。
これも、受け流し後の催促に対する有効な反撃手段の一つである。
わざとおじゃまぷよを降らせることで、時間的な遅れを取り戻すことができる。
フィールド的には僅かに不利になるが、おじゃまぷよは再び小連鎖(催促)で消せば問題ない。
 

受け流し後の戦略1−悪い追撃(1P) 受け流し後の戦略1(2P)
5−F

1Pが3連鎖の追撃をかけたところ。
1Pはもともと2連鎖打っているので、この追撃によって合計5連鎖相当の遅れが生じてしまう。
明らかに有効催促量を超えており、2Pは普通に本体連鎖を発動するだけで、ほぼ確実に勝てる。
催促を受け流された後は、相手の連鎖が崩れている場合以外、追撃をかけてはいけない。
基本的に、催促においては、一方的におじゃまぷよを送り続けることは許されない。
 

 

カウンター催促

受け流しをしてから催促する流れを一体化させたのがカウンター催促である。
あらかじめ高めの発動点を持つ催促を作っておき、相手の催促によるおじゃまぷよを受けてからすぐに催促を打ち返す。
相手の催促と同じ連鎖数でカウンター催促すれば、一切遅れを取ることなく相手に催促することが可能になる。
しかも、すぐに打ち返しているため、相手に対応の余裕を与えない。
ただし、あまり大きい催促に対しては、カウンター催促をしてもおじゃまぷよが大量に残って危険なので、カウンター催促よりも逆催促や先行本体発動の方が良い。
おじゃまぷよを降らせるため、多少の危険は伴うが、上手く決まれば逆催促以上に強力な攻めになる。

カウンター催促1−催促発火(1P) カウンター催促1(2P)
6−A

1Pが3連鎖の催促を仕掛けたところ(3連鎖目)。
2Pは、急いで3連鎖を発動しておじゃまぷよを相殺することもできるが(NEXTに緑があるとして)、それでは有利になれない。
そこで、ここではあえておじゃまぷよを降らせて、カウンター催促を狙いにいく。
 

カウンター催促1(1P) カウンター催促1−催促発火(2P)
6−B

2Pがカウンター催促を仕掛けたところ。
これによって遅れを生じることなく、相手に催促をかける。
さらに、それと同時に、降らせたおじゃまぷよを大量に消し去る。
1Pにはあまり対応の時間はない。
1Pの対応策としては、3連鎖・4連鎖・7〜8連鎖(本体連鎖)などが考えられる。
 

カウンター催促1−本体発火(1P) カウンター催促1(2P)
6−C

催促をかけられた1Pが本体連鎖を発動したところ。
しかし、2Pの催促はカウンター催促であったため、2Pにほとんど遅れはない。
そのため、2Pはそれほど無理な伸ばしをすることなく、簡単に相手の連鎖を上回れる。
もし1Pが3連鎖を打っていた場合は、おじゃまぷよを相殺し合って、1P側に(初めに打った3連鎖分の)遅れだけが残る形になる。
 

カウンター催促1(1P) カウンター催促1−僅かな危険状態(2P)
6−D

2Pのカウンター催促が消え終わったところ。
カウンター催促において一番危険なのが、このタイミングである。
遅れることなくおじゃまぷよを送っているのは良いが、瞬間的に本体連鎖の発動が難しい状態になっている。
この場合、2Pは赤黄が来ないと、本体連鎖の即発動はできない。
そのため、仮に1Pが4連鎖を打ってきていた場合、それが潰しとして有効になる可能性がある。
その場合は、2Pの本体連鎖発動が間に合えば2Pが有利、発動が間に合わなければ1Pが有利となる。
 

カウンター催促1(1P) カウンター催促1−本体発火(2P)
6−E

2Pが本体連鎖を伸ばして発動したところ。
ほとんど遅れていない状態からの伸ばしなので、それほど無理して伸ばさなくとも相手の連鎖数を上回れる。
ただし、おじゃまぷよを利用した連鎖が必要になることも多いので、ある程度の連鎖力は要求される。
せっかくカウンターで時間を稼いでも、色ぷよを大量に消え残してしまったのでは意味がない。
 

 

先行本体発動

相手の催促に対して、本体連鎖を打つことで有利な状況に持ち込むこともできる。
単に相手の催促に乗せられているだけのように見えるが、基礎編で説明したように、催促は非常に微妙な時間差を利用しているので、状況次第では、本体連鎖を先に発動することが必ずしも不利にはならない(後発優勢の原則が崩壊する)。
相手の催促に対して本体発動で勝つには、時間的に遅れていないことと、連鎖効率が高い(ごみぷよが少ない)ことが、前提として重要になる。
これらに問題があれば、相手の限界催促量が上がってしまうので、本体発動しても高確率で負けてしまう。
また、先行本体発動で勝てる確率は、相手の催促が大きいときほど高くなる。
相手の催促量が少ないときは、時間的なアドバンテージが小さいので、負ける可能性の方が高くなる。
時間差や相手のフィールド状況などを考慮した上で、相手の本体連鎖の伸ばしが負担になるようなときを狙って先行本体発動するようにしよう。

先行本体発動1−催促発火(1P) 先行本体発動1−本体発火(2P)

1Pが有効催促量を超える催促を仕掛けてきたところ。
このようなときは普通に本体連鎖を発動するだけで高確率で勝てる。
逆に、小さい催促に対しては、本体連鎖を発動しても負ける可能性の方が高いので、別の対応をするべきである。
 

先行本体発動2−催促発火(1P) 先行本体発動2−本体発火(2P)

1Pが2連鎖ダブルの催促を仕掛けたところ。
催促量は適切だが、4列目の赤に問題がある。
この赤が邪魔で本体連鎖を修復するのが難しくなっている。
このような時も、先行本体連鎖発動で勝てる。
ただし、思わぬ修復手順があることもあるので、良く見て判断しなくてはならない(判断する側の連鎖力が問われる)。
 

先行本体発動3−催促発火(1P) 先行本体発動3−本体発火(2P)

終盤で1Pが小さい催促をかけてきたところ。
十分連鎖数が高くなり、時間差よりも連鎖飽和数が重要になってきた段階では先行本体発動をしても良い。
6万点以上の連鎖をしっかり組めていれば、先行発動でも不利にならないことが多い。
催促が特に有効になるのは中盤(7〜11連鎖)であるということに気を付けよう。
 

 

相手の催促が適切ならば、上の条件(時間進行と効率)を満たしただけは先行本体発動は不利になりやすいが、本体連鎖の組み方を工夫すると相手の有効催促量を意図的に減らすことができる。
そのテクニックが、連鎖尾同時消し、連鎖の重ね合わせ、混乱形連鎖である(それぞれ以下で説明する)。
これらの技術を複合して用いれば、相手の有効催促量を大幅に減少させ、本来なら有効な催促を危険な催促にさせてしまうことができる。
こうして相手の時間感覚を狂わせることができれば、先行本体発動で非常に高い勝率を収められる。
逆に、自分から催促を仕掛けるときは、こういった先行発動テクニックには十分注意する必要がある。

先行本体発動特化1−催促発火(1P) 先行本体発動特化1−本体発火(2P)
10

1Pの3連鎖の催促に、2Pが先行発動に特化した本体連鎖を合わせたところ。
2Pの本体連鎖は、1Pの催促とシンクロしている上に、混乱形であり、しかも連鎖尾が同時消しである。
1Pが少し迷っているうちには、連鎖尾の同時消しが始まり、1Pはほとんど連鎖を伸ばせない。
1Pの催促自体は悪くないが、2Pがこのような高度な本体連鎖を重ねれば、2Pの勝ちは揺るがない。
 

 

連鎖尾同時消し

連鎖尾が同時消しになっていれば、威力を大きく落とすことなく連鎖時間を減らせる。
連鎖尾がダブルなら1手半、トリプルなら3手ほど相手の連鎖を伸ばす時間が減る。
僅かな差に見えるが、3手も伸ばし時間が減れば、それだけで2連鎖近く連鎖数が減ることになる。
ギリギリで時間差を覆す催促において、この差は非常に大きい。
そのため、連鎖尾同時消しの本体連鎖の先行発動は想像以上に強力である。

連鎖尾同時消し1(1P) 連鎖尾同時消し1−通常連鎖尾(2P)
11−A

1Pが3連鎖の催促を仕掛けたところ。
この催促は有効催促量以下の良い催促である。
なので、これに対して2Pが本体連鎖を発動しても、2Pは時間差を逆転されて負ける可能性が高い。
1Pには6連鎖分以上の猶予時間ができる。
 

連鎖尾同時消し1(1P) 連鎖尾同時消し1−同時消し連鎖尾(2P)
11−B

1Pが上と同じ催促を催促をかけたところだが、この場合は2Pの本体連鎖の連鎖尾が同時消しになっている。
2Pがすぐに本体連鎖を発動すると、3連鎖分が重なり、1Pの猶予時間は4連鎖分しかなくなる。
4連鎖中に4連鎖伸ばすのは不可能なので、2Pの勝ちがほぼ確定している。
相手の連鎖尾が同時消しになっているときは、むやみに催促をかけると先行本体発動されて負けてしまう。
 

 

連鎖の重ね合わせ

連鎖の重ね合わせ(クロス、シンクロ)は、相手の副砲の発動と同じタイミングで本体連鎖を発動し、互いの連鎖時間を重ねることである。
連鎖時間を重ねることで、相手の伸ばしの時間を大幅に減らす。
証明は省くが、相手の催促に対して本体連鎖を打つ場合、ギリギリまで伸ばして打つよりも、シンクロさせて打つ方がかなり勝率が高くなる(相手の限界催促量が2/3くらいまで減る)。
そのため、先行本体発動するときは、連鎖は伸ばさずに、できる限り相手の催促とシンクロさせると良い。
特に、相手の催促の連鎖数が高いときは効果が大きいので、積極的に狙っていこう。

本体クロス1−催促発火(1P) 本体クロス1(2P)
12−A

1Pが3連鎖の催促を仕掛けたところ。
これに対して2Pが本体連鎖を先打ちする場合、相手の催促に合わせて打つ方法と、ギリギリまで伸ばして打つ方法がある(もちろんその中間もあるが)。
この本体連鎖の発動タイミングによって、先行本体発動の有利不利が変化する。
 

本体クロス1(1P) 本体クロス1−非クロス(2P)
12−B

2Pがおじゃまぷよが降る直前まで(5手分)伸ばして本体連鎖を発動したところ。
この場合1Pは10連鎖中に、6連鎖伸ばす計算になる(割合は60%)。
伸ばす量は多いが、時間的には十分伸ばしは間に合うはずである。
この状況では、1Pの方が若干有利である。
 

本体クロス1(1P) 本体クロス1−クロス(2P)
12−C

2Pが連鎖を伸ばさずに、相手の催促に合わせてそのまま本体連鎖を発動したところ。
この場合は、3連鎖が重なっているので、5連鎖中に4連鎖伸ばす計算になる(割合は80%)。
伸ばす量が少ないとはいえ、猶予時間に対する伸ばしの必要量の割合がかなり高くなっている。
既に限界を超えている可能性もあり、1Pの伸ばしが間に合う可能性は非常に低い。
この状況では、2Pの方が大きく有利である。
 

 

混乱形連鎖

混乱形連鎖というのは、相手を混乱させるような複雑な形の連鎖のことである。
基礎編で説明したように、催促した側は相手の連鎖がどこで終わるのかを正確に把握しなくてはならない。
それができなければ、連鎖を伸ばすべきかどうかを決めることができず、まともに連鎖を伸ばせなくなる。
このように、いつ連鎖が終わるか分からないという恐怖心を相手に与えることで、間接的に相手の伸ばしを抑制するのが混乱形連鎖の狙いである。
混乱形の連鎖は自分でも分からなくなるという危険があるが、使いこなせれば非常に効果的である。

混乱形連鎖1(1P) 混乱形連鎖1−非混乱形(2P)
13−A

1Pが3連鎖の催促を仕掛けたところ。
2Pは先行本体連鎖発動しようとしている。
この場合、2Pの連鎖は非常に分かりやすい階段連鎖なので、1Pは2Pの連鎖が終了する間際まで思いっきり連鎖を伸ばせる。
そのため、1Pの伸ばしが間に合う可能性が高くなる。
 

混乱形連鎖1(1P) 混乱形連鎖1−混乱形(2P)
13−B

これも1Pの3連鎖に対して、2Pが先行本体発動を狙っているところ。
2Pの連鎖は10連鎖で、状況だけ見れば上と変わらない。
しかし、2Pのこの組みは混乱形(複雑形)であり、どこで連鎖が終わるのかが良く分からない。
そのため1Pは、よほど凝視力が高くない限り、迷いながら本体連鎖を伸ばすことになり、当然組みのスピードや効率が低下する。
その結果として、1Pが十分に連鎖を伸ばしきれる確率が下がる。

 

 

逆催促

相手からの催促に対して、一回り大きい副砲を打ち返して逆に催促をかけ返すのが逆催促という技術である。
例えば、相手からの3連鎖の催促に対して、3連鎖ダブルを打ち返すといったようなことである。
催促に対する対処法としては、これが一番基本的な方法で、安定性も高い。
逆催促で催促をかける方法は、少ない遅れで多くのおじゃまぷよを送ることができるため、普通に催促をするよりも有利になりやすい。
上の例では、たった1連鎖相当の遅れで、相手に約2段分のおじゃまぷよを送って催促する形になっている。
このように逆催促は非常に強力な攻めになるので、積極的に狙っていきたい。
また、逆催促まではできなくても、相手の催促に対しては、むやみに本体連鎖を打つのではなく、副砲で相殺していくのが基本である。
相手からの催促に対応するために、中盤以降はできる限り副砲を作るようにしよう。

逆催促1−催促発火(1P) 逆催促1(2P)
14−A

1Pの3連鎖の催促を仕掛けたところ。
2Pは、この催促に対して逆催促を狙いにいく。
できる限り少ない手数で、3連鎖を超える威力の連鎖を作れば良い。
 

逆催促1(1P) 逆催促1−催促発火(2P)
14−B

2Pが3連鎖ダブルを完成させて発動したところ。
これによって、1P側に2段のおじゃまぷよを返し、2Pが逆に催促する形になっている。
しかも、3連鎖と3連鎖ダブルの打ち合いなので、2Pの遅れはたったの1連鎖分しかない。
結局、2Pは1連鎖で2段のおじゃまぷよを送って催促したようなものなので、時間的に非常に有利な状態になっている。
このように、逆催促は普通の催促以上に強力な攻めとなる。
 

逆催促1−本体発火(1P) 逆催促1(2P)
14−C

1Pは逆に催促されてしまい、本体発動を余儀なくされた状態。
2Pは遅れが少ないので、ここから少し連鎖を伸ばすだけで簡単に勝てる。
 

逆催促1(1P) 逆催促1(2P)−本体発火
14−D

2Pが本体連鎖を発動したところ。
2Pは無理な伸ばしをすることなく、2連鎖分も相手を上回っている。
催促に対しては逆催促という非常に強力な対抗手段があるため、上級レベルになると、催促ですら先打ちが不利になりやすく、安易に催促を仕掛けることは許されない。
 

逆催促2−催促(1P) 逆催促2−逆催促(2P)
15−A

1Pの2連鎖に対して、2Pが2連鎖ダブルで逆催促をかけたところ。
このように、相手よりも1回り大きい連鎖で返すのが逆催促の基本であり、必要以上に大きい連鎖で返してはいけない。
この場合は、催促も逆催促も小さめなので、1Pに返るおじゃまぷよはそれほど多くない。
 

逆催促2−受け流し(1P) 逆催促2(2P)
15−B

1Pがおじゃまぷよを受け流したところ。
2Pの逆催促が1Pの催促とシンクロしていたので、潰しの重ね合わせのような状態になり、1Pには対応の余裕はなかった。
対応の余裕があったとしても、ここは受け流した方が良い。
 

逆催促2−催促(1P) 逆催促2−逆催促(2P)
15−C

1Pの催促に対して、2Pが3連鎖で再び逆催促をかけたところ。
常に逆催促で攻めれば、少ない遅れで連続しておじゃまぷよを送ることも可能である。
ただし、逆催促であっても遅れることには変わりないので、何度も繰り返せばいつかは有効催促量を越える。
時間差を考えずに無計画に逆催促を繰り返すのはやめよう。
この場合でも、1Pは再び受け流しが有効になるので、2Pの遅れもだんだん無視できなくなってくる。
 

 

逆催促を仕掛けるには、あらかじめ副砲を用意しておくことが重要だが、発生し得る全ての副砲に対応した副砲を作るのは不可能に近い。
そこで、相手の副砲の発動を確認してから、その副砲が消えている間に自分の副砲を伸ばす技術が必要になる。
とはいっても、副砲は基本的に2連鎖か3連鎖なので、都合良くぷよが来ないと普通に伸ばして連鎖数を上げるのは難しい。
そのため、ゼロから連鎖を伸ばすのではなく、本体連鎖の一部を利用して、できる限り少ない手数で副砲を伸ばすようにすることが大切である。
また、連鎖数を上げるのではなく、連結を伸ばすのも良い副砲伸ばしの手段である。
「通」の場合は、連結が1つ2つ違うだけでもおじゃまぷよ発生量に1段程度の差が出るということに注意しよう。
どちらにしても、NEXT2までの範囲で確実に伸ばして発動できるようにすることが望ましい。
無理に伸ばそうとして、副砲の発動が間に合わなくなるようなことがあってはならない。

副砲の伸ばし1−催促発火(1P) 副砲の伸ばし1(2P)
16−A

1Pの3連鎖の催促を仕掛けたところ。
2Pは、すぐに3連鎖を打っておじゃまぷよを相殺できるが、それでは有利な展開には持ち込めない。
そこで、NEXT2までの範囲で副砲を伸ばす手順がないか考える。
瞬時に副砲を見つけて伸ばす技術が問われるところである。
 

副砲の伸ばし1(1P) 副砲の伸ばし1−連鎖数伸長(2P)
16−B

2Pが副砲を4連鎖まで伸ばし、発動したところ。
ゼロから連鎖を伸ばすのではなく、本体連鎖の一部を副砲に取り込むことで、少ない手数で副砲を伸ばして逆催促することに成功した。
2Pは、他にも3連鎖ダブルや3連鎖目ダブルの4連鎖などを打つこともできた。
視野を広く持つことが大切である。
なお、NEXT2までの範囲で伸ばせそうにないなら無理に伸ばさず、すぐに3連鎖を打ったほうが安定する。
下手に伸ばそうとして潰されたので、一気に不利になってしまう。
 

副砲の伸ばし2−催促発火(1P) 副砲の伸ばし2(2P)
17−A

1Pが2連鎖ダブルの催促を仕掛けたところ。
この2連鎖ダブルは、黄が6連結なので結構威力がある。
2Pはすぐに2連鎖ダブルや3連鎖を打てるが、それではおじゃまぷよを相殺しきることはできない。
そこで、しっかり副砲を伸ばして発動するようにする。

 

副砲の伸ばし2(1P) 副砲の伸ばし2−連結延長(2P)
17−B

2Pが連結を伸ばして大型の2連鎖ダブルを打ち返したところ。
このように連結を伸ばして副砲の威力を上げることも重要である。
この場合は緑の連結がかなり長いので、1P側に3段ものおじゃまぷよが返る。
ここまで連結を伸ばせなくても、連結延長は予想以上に効果的なので、副砲を伸ばすときは積極的に狙っていくと良い。
連結延長は、連鎖数を上げるよりも簡単で安定しやすい。
 

 

連携催促

複数の副砲で連携攻撃をかけるのも有効な戦法である。
中でも特に強力なのが、潰しの連携と催促を融合させる方法である。
小さい催促は遅れが少ないので、相手の本体連鎖を打たせることができれば勝てる可能性は高いが、受け流されて反撃を受ける可能性も高い。
しかし、小さい催促を潰しの連携の第一段階の攻撃として利用すれば、状況は変わってくる。
もし、相手が攻撃を受け流して連鎖発動点が埋まるようなら、すぐに連携で潰しを入れて勝てる。
遅れが少ないので、本体連鎖を発動された場合でも、少し伸ばすだけで安全に勝つことができる。
基本的に、潰しの連携と融合させた催促に対しては、逆催促するか連鎖発動点を高くするかしか対応する方法がないので、対策を取っていない相手には高確率で勝つことができる。
最初の攻撃が小さいので、かなり早い段階からも仕掛けられる。

潰しの連携との融合1−弱催促(1P) 潰しの連携との融合1(2P)
18−A

1Pが2連鎖を仕掛けたところ。
たった1段分のおじゃまぷよしか発生しない催促だが、この時点で1Pの勝ちはほぼ確定している。

 

潰しの連携との融合1(1P) 潰しの連携との融合1−本体発火(2P)
18−B

2Pが本体連鎖を発動したところ。
連鎖発動点が露出しているので、2Pはすぐに本体連鎖を発動することもできる。
しかし、1Pの催促は2連鎖であったため、1Pの遅れは少なく、2Pの先行本体発動は大きく不利である。
 

潰しの連携との融合1−本体発火(1P) 潰しの連携との融合1(2P)
18−C

1Pが本体連鎖を発動したところ。
しっかり伸ばして、相手の連鎖数を上回っている。
少ない連鎖数で相手の本体連鎖を打たせたのが有効になった。
 

潰しの連携との融合1(1P) 潰しの連携との融合1−受け流し(2P)
18−D

2Pが本体連鎖を発動せずに、おじゃまぷよを受けたところ。
本体発動は明らかに不利なので、一般的には受け流した方が良い。
しかし、1Pは大きい2連鎖ダブルを持っているため、2Pは受け流しをしても(よほど運がよくなければ)潰しの連携を受けて、負け確定である。
 

潰しの連携との融合1−潰しの連携(1P) 潰しの連携との融合1(2P)
18−E

1Pが潰しの連携を仕掛けたところ。
2Pは、NEXTに緑緑がない限り、負けてしまう。
このように、催促を潰しの連携と融合させることによって、催促での勝率を大きく上げることができる。
ただし、相手の本体連鎖発動が間に合ってしまった場合は、時間的に大きく不利になるので、そこは注意が必要である。
 

 

潰しの連携と融合できない場合でも、連携催促は有効になることがある。
上で説明したように、催促に対しては逆催促が有効なので、相手も副砲を組んでいる可能性が高い。
そのため、一回催促しただけでは、相殺されたり逆催促されたりすることも多い。
そこで、複数の副砲を用意しておき、1つを相手の催促を打たせるための催促として使い、もう一つを本催促として使う。
このようにすることで、催促に対応してくる相手にも催促をかけることができる。
ただし、たくさんぷよが消えるので、2回目の催促で有効催促量を超えないように注意しなくてはならない。
最終的に時間的な有利状態を作れないのでは、いくら上手い連携催促をしても意味がない。
特に、相手が1回目を受け流してきて、しかも本体連鎖が打てる状態のときは、連携で催促をすると有効催促量を超えてしまう可能性が高いので、安易に連携してはならない。
連携催促を有効に使うには、しっかり先まで読んでおく必要がある。

連携催促1−第一催促(1P) 連携催促1(2P)
19−A

1Pが2連鎖ダブルの催促を仕掛けたところ。
しかし、2Pも3連鎖の副砲を持っているため、この催促だけで勝負を決めることはできない。

 

連携催促1(1P) 連携催促1−催促発火(2P)
19−B

2Pも副砲を発動して、1Pの催促を相殺したところ。
2Pは1Pの催促に対応することはできたが、副砲がなくなってしまった。
これこそ1Pの本当の狙いである。
 

連携催促1−第二催促(1P) 連携催促1(2P)
19−C

1Pがもう一つの副砲を発動し、再び催促をかけたところ。
2Pにはもう副砲がないので、本体連鎖を発動するしかない。
ただし、1Pはかなり色ぷよを消しているので、この後しっかり伸ばしていかなくてはいけない。
連携催促の際は、有効催促量を越えないように十分注意しよう。
 

連携催促2−副砲に対する催促(1P) 連携催促2(2P)
20−A

1Pが1連鎖ダブルの催促を仕掛けたところ。
2Pがキーぷよ型の副砲で逆催促を狙っているため、1Pは大きい催促を仕掛けられない。
そこで、このように小さい催促で相手の副砲発動を催促する。
ただし、小さい催促は受け流される可能性も高いので、受け流しが危険になる(潰しの連携が入る)タイミングで仕掛けるのが良い。
 

連携催促2(1P) 連携催促2−逆催促(2P)
20−B

2Pが3連鎖で逆催促をかけてきたところ。
おじゃまぷよを受ければ、潰しの連携が入ってしまうので、ここは副砲を打たざるを得ない。
2Pは4連鎖を打つこともできたが、それでは1Pに本体連鎖を重ねられて不利になる可能性もある(3連鎖と4連鎖のどちらが良いかは判断の難しいところである)。
 

連携催促2−逆逆催促(1P) 連携催促2(2P)
20−C

2Pの逆催促に対して、1Pが大きい2連鎖ダブルでさらに逆催促をかけたところ。
おじゃまぷよが行ったり来たりしていて分かりにくいが、最終的には2Pに1段半くらいのおじゃまぷよが送られている。
これによって2Pは本体連鎖を発動せざるを得なくなる(1Pにはもう一つ2連鎖ダブルがあるので、受け流すと潰しの連携を受ける)。
副砲の発動を催促したり、逆催促を互いにかけあったりという展開は、上級者同士の試合ではしばしば見られる。
このような催促の打ち合いで勝つには、先の先まで読んでおかなくてはならない。
 

 

誘い出し

催促や逆催促を仕掛けようとしている相手の裏をかき、返し技をいきなりかけて、相手のミスを誘うという戦法もある。
具体的には、催促をしようとしている相手にいきなり逆催促を仕掛けるとか、逆催促を仕掛けようとしている相手にいきなり先行本体発動するとか、そういったことである。
先に返し技を仕掛けているので、うまく相手の攻撃を誘い出すことができれば、ほぼ確実に有利になれる。
副砲を組んでいる人は、それを打ちたいという心理状態にあるので、そういった相手に対して催促に見せかけた攻撃を仕掛ければ、それに合わせて副砲を打ってくる可能性が高い。
相手が副砲をすぐ打てる状態のときに分かりにくい攻撃を仕掛けるようにすると、成功率を高めることができる。
ただし、理論的には明らかに不利になる攻撃であり、見切られればほぼ負け確定なので、乱用は厳禁である。
リアルタイムで進行し、見間違いや思い込みによるミスが発生し得る対戦だからこそ成り立つ技である。
使いどころは難しいが、時々このような攻めを混ぜていけば、相手を惑わせることができるだろう。

誘い出し1−見せ掛け催促(1P) 誘い出し1(2P)
21−A

2Pが切り離しで副砲を作ったところ。
2Pは現在手でちょうど2連鎖トリプルを打てる。
このような状況の2Pは、ほぼ間違いなく、この副砲を打ちたいという心理状態にある。
そこで、1Pはあえて相手の裏をかき、直接本体連鎖を発動する。
これによって、2Pの副砲発動を強く誘い、強制的に本体連鎖をシンクロ状態に持ち込む。
 

誘い出し1(1P) 誘い出し1−催促発火(2P)
21−B

1Pの2連鎖目の同時消しに誘い出されて、2Pが2連鎖トリプルを発動したところ。
しかし、1Pの2連鎖目ダブルは相手の副砲発動を誘うためのおとりにすぎない。
ここで、深く時間が重なってしまったため、2Pには連鎖を伸ばす時間はあまりない。
この時点で1Pの勝ちがほぼ確定している。
 

誘い出し2−見せ掛け3連鎖(1P) 誘い出し2(2P)
22−A

2Pが逆催促を視野に入れながら連鎖を組んでいるところ。
1Pが催促を打ってくれば、2Pはすぐに逆催促をかけられる。
そこで、1Pはキーぷよ型の副砲を発動して、2Pの逆催促を誘い出しにかかる。
1Pの副砲は3連鎖に見えるが、実際は3連鎖目ダブルの4連鎖である。
 

誘い出し2(1P) 誘い出し2−催促発火(2P)
22−B

2Pが1Pの副砲を3連鎖と勘違いして、3連鎖ダブルを発動したところ。
しかし、1Pの連鎖は3連鎖目ダブルの4連鎖のため、既にこの時点で2Pに逆催促がかかっている。
この後、2Pがあわてて本体連鎖を発動しても、1Pは余裕で連鎖を伸ばして勝つことができる。
ただし、3連鎖目ダブルの4連鎖は普通の催促としては、明らかに有効催促量を超えているので、見切られれば2Pに本体連鎖を直接発動されてしまい、1Pは負け確定である。
普段から催促理論に基づいた催促をしっかり使うことが大切で、それができて初めてこのような攻撃が騙しとしての意味を持ってくる。
 

 

以上が現在のぷよぷよ対戦における催促技術のほぼ全てである。
上級の世界が見えてくるところであり、これらの技術を実戦レベルで十分に使えるかどうかが上級者と中級者の分かれ目になると言って良いだろう。
とは言っても、理論・感覚・技術など、あらゆる面に対して高いレベルを求められるため、そう簡単に使いこなせるようになるものではない。
実際に、この壁を乗り越えて真の上級者と呼ばれるようになった人はごく僅かしかいない(筆者も未だにこの壁を越えられていない)。
催促は非常に難しい技術なので、焦らず、少しずつ理想に近づけるように練習を重ねていこう。
ここを乗り越えれば、時の流れを読みきった超絶な世界が広がってくる・・・・・・かもしれない。