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ぷよぷよ

― 得点計算 ―

 

ぷよぷよで相手に降るおじゃまぷよの個数は、試合中に獲得した点数によって決まっている。
この点数がどのように計算されているのかを知っておくと、おじゃまぷよを多く送るにはどのようにすれば良いかが見えてくる。
対戦中に計算する必要はないが(上級者は除く)、知っておくと役に立つことは多いだろう。
ということで、少し数学的な内容になるが、ここではぷよぷよ(ふたりでぷよぷよ)の得点計算方法(おじゃまぷよ算)について説明する。

 
発生するおじゃまぷよの個数は次の式によって求められる。
 
(発生おじゃまぷよ数)=(得点)÷(レート)

(得点)は、前回ぷよを消してから今回ぷよを消すまでに獲得した得点である。
ぷよを消さない場合は、点数が入ってもおじゃまぷよは発生せず、次に消したときにその分もまとめて計算される。
得点の計算方法は、下で改めて説明する。
(レート)は、その式の示す通り、1つのおじゃまぷよを発生させるのに必要な得点である。
基本レートは、「通」が70、「SUN」以降(「SUN」、「よ〜ん」、「フィーバー」)が120となっている(「SUN」のアーケード版は70?)。
ある程度時間が経過すると(マージンタイムを超えると)、この基本レートから少しずつレートが下がっていき、おじゃまぷよの発生量が増加する。
さらにこれに加えて、「SUN」の場合は、太陽ぷよを消したときにおじゃまぷよが余計に発生する。
追加発生するおじゃまぷよの個数は、n連鎖目に消した太陽ぷよ1個に対して、6×(n-1)(ただし1連鎖目では3)である。
例えば、3連鎖目に3個の太陽ぷよを消すと、6×(3-1)×3=36で、36個(6段分)のおじゃまぷよが追加発生する。

 
対戦中に入る得点は次のようにして求められる。
 
(得点)=(消去得点)+(全消し得点)+(落下得点)

(消去得点)は、ぷよを消したときに入る得点である。
消去得点の計算方法は、下で改めて説明する。
(全消し得点)は、全消しをしたときに入る得点である。
「通」では2100点、「よ〜ん」では3600点分が入る(どちらもおじゃまぷよ5段相当)
ただし「よ〜ん」の全消し得点は、機種によっては、連鎖数によって変化するらしい。
「SUN」、「フィーバー」では、全消し得点はない。
(落下得点)は、ぷよ操作時に下入力をしているとき、1マスごと(+接地時)に入る得点(1点)である。
ただし、「SUN」と「よ〜ん」(の一部?)では落下得点がおじゃまぷよに換算されない。
全消し得点と落下得点については、ぷよの消去を伴わないため、すぐにおじゃまぷよが発生することはなく、次にぷよを消した時におじゃまぷよに換算される。

 
消去得点は次の計算で求められる。
 
(消去得点)=(ぷよ消去数)×10×((連鎖ボーナス)+(多色ボーナス)+(多連結ボーナス))

(ぷよ消去数)は、色ぷよの消えた数である(4つで消えるので、通常ルールでは4以上)。
「よ〜ん」ではおじゃまぷよが消えたときもこの消去数に含めるらしい。
各ボーナス(対人戦時)は以下の表の通りとなっている(シリーズ・機種によって差がある)(「フィーバー」については全てアミティー通常時の値)。
ただし、各ボーナスの合計が0になるとき(1連鎖目4個消し)は、ボーナスを1として計算する。
また、多連結ボーナスで、多連結が複数(別の色で)あるときは、それぞれのボーナス値を足す。
同色の多連結が複数あるときは、別々に計算して足すものと、全てをまとめた個数として計算するものがあるらしい。
連鎖をしたときは、この消去得点が連鎖中の1連鎖ごとに計算され、追加される。
したがって、(連鎖得点)=煤i連鎖中の1連鎖ごとの消去得点)となる。
例えば、10連鎖ならば、10回消去得点の計算をして足すというわけである。
なお、「通」で連鎖中に表示される式は、(消去数×10の値)×(ボーナスの合計)(←消去得点の計算式)となっている。
普通は起こらないが、一度に入る消去得点が65536点を超えると、オーバーフローして0点(?)になってしまうらしい。

 
※ 連鎖ボーナス
連鎖数 ボーナス値
(通、SUN、よ〜ん)
ボーナス値
(フィーバーアミティー通常)
100
288
31616
43222
56433
69667
7128111
8160167
9192223
10224279
11256349
12288419
13320489
14352559
15384629
 
※ 多色ボーナス
同時消し色数 ボーナス値
(通)
ボーナス値
(SUN、よ〜ん64、
フィーバー)
ボーナス値
(よ〜んDC・PS)
1000
2326
36412
412816
 
※ 多連結ボーナス
連結数 ボーナス値
(通)
ボーナス値
(SUN、よ〜んDC・PS、
フィーバー)
400
521
632
743
854
965
1076
11以上108
 

計算例は以下の通り。

連鎖計算例1  

連鎖を発動したところ。
これを例におじゃまぷよの計算を行う(「通」の場合)。
1連鎖目:4×10×(0+0+0+1)=40(ボーナス合計が0なので1に)
2連鎖目:6×10×(8+0+3)=660
3連鎖目:4×10×(16+0+0)=640
4連鎖目:4×10×(32+0+0)=1280
5連鎖目:4×10×(64+0+0)=2560
6連鎖目:5×10×(96+0+2)=4900
7連鎖目:9×10×(128+3+2)=11970
合計消去得点(連鎖得点)は、22050点。
落下得点の蓄積を150点とすると、合計得点は22200点となる。
したがって、発生するおじゃまぷよは317個になり、10点が余る(余った得点は次に持ち越し)。
「フィーバー」では、合計消去得点が17140点で、合計得点は17290点になる。
この場合、発生するおじゃまぷよは144個になる。

連鎖計算例2  

大連鎖の一部を変化させて2連鎖ダブルを発動したところ。
この連鎖での得点計算(「通」)は次のようになる。
1連鎖目:5×10×(0+0+2)=100
2連鎖目:11×10×(8+3+(3+2))=1760
合計消去得点は、1860点。
落下得点の蓄積を180点とすると、合計得点は2040点となる。
したがって、29個(約5段分)のおじゃまぷよが発生する。
「フィーバー」では、合計1660点で13個(約2段分)のおじゃまぷよが発生する。

 

いちいち計算するのは面倒なので、4個消しの連鎖をしたときの得点と発生するおじゃまぷよの個数を表にまとめておく(「通」の場合)。
(「通」以外のものも含めた表はEXCELファイルにまとめた。 → puyo_calc.xls

連鎖数 連鎖ボーナス 消去得点
おじゃまぷよ数(発生)
(通)
連鎖得点
おじゃまぷよ数(累積)
(通)
1040点
0個
40点
0個
28320点
4個
360点
5個
316640点
9個
1000点
14個
4321280点
18個
2280点
32個
5642560点
36個
4840点
69個
6963840点
54個
8680点
124個
71285120点
73個
13800点
197個
81606400点
91個
20200点
288個
91927680点
109個
27880点
398個
102248960点
128個
36840点
526個
1125610240点
146個
47080点
672個
1228811520点
164個
58600点
837個
1332012800点
182個
71400点
1020個
1435214080点
201個
85480点
1221個
1538415360点
219個
100840点
1440個
 

代表的な小連鎖多色消し・多連結消しの得点とおじゃまぷよ数ついても、表にまとめておく(「通」と「フィーバー」のみ)。

連鎖タイプ
(連結数)
連鎖得点
おじゃまぷよ数(累積)
(通)
連鎖得点
おじゃまぷよ数(累積)
(フィーバー)
1連鎖6連結
(6)
180点
2個
120点
1個
1連鎖2色
(4+4)
240点
3個
160点
1個
1連鎖2色
(4+5)
450点
6個
270点
2個
1連鎖2色
(4+6)
600点
8個
400点
3個
1連鎖2色
(5+5)
700点
10個
400点
3個
2連鎖6連結
(4→6)
700点
10個
640点
5個
2連鎖2色
(4→4+4)
920点
13個
840点
7個
2連鎖2色
(4→4+5)
1210点
17個
1030点
8個
2連鎖2色
(4→4+6)
1440点
20個
1240点
10個
2連鎖2色
(4→5+5)
1540点
22個
1240点
10個
2連鎖2色
(4→5+6)
1800点
25個
1470点
12個
2連鎖2色
(4→6+6)
2080点
29個
1720点
14個
2連鎖3色
(4→4+4+4)
1720点
24個
1480点
12個
2連鎖3色
(4→4+4+5)
2120点
30個
1730点
14個
2連鎖3色
(4→4+5+5)
2560点
36個
2000点
16個
2連鎖3色
(4→5+5+5)
3040点
43個
2290点
19個
3連鎖6連結
(4→4→6)
1500点
21個
1440点
12個
3連鎖(2連鎖目2色)
(4→4+4→4)
1560点
22個
1480点
12個
3連鎖2色
(4→4→4+4)
1880点
26個
1800点
15個
3連鎖2色
(4→4→4+5)
2250点
32個
2070点
17個
3連鎖2色
(4→4→5+5)
2660点
38個
2360点
19個
3連鎖3色
(4→4→4+4+4)
3000点
42個
2760点
23個
3連鎖3色
(4→4→4+4+5)
3480点
49個
3090点
25個
4連鎖2色
(4→4→4→4+4)
3800点
54個
2920点
24個
 
 

この得点計算に関して重要なポイントがいくつかあるので、それを以下で説明する。

まず、レートについてだが、これは「通」のみ70で、他は120である。
この結果、「通」では他のシリーズの約2倍のおじゃまぷよが発生することになる。
これは特に小連鎖時に重要な違いとなって表れる。
「通」では2連鎖ダブル程度で簡単に2段以上のおじゃまぷよが発生する。
このため「通」では、潰しや催促が重要な位置を占めてくることになり、こういった小連鎖への対応を考えないことには勝つことは難しい。
一方、それ以外のシリーズでは、3連鎖でも2段(12個)のおじゃまぷよは発生しない。
もし小連鎖で大量におじゃまぷよを降らせようとすると、かなりの量の色ぷよを消す必要があるので、大連鎖を発動されてしまうと負ける可能性が高い(催促は危険性が高い)。
よって、下手に小連鎖をするよりは、まともに大連鎖を組んでいった方が安定する。
ただし、太陽ぷよ、特技、フィーバーモード等の問題もあるので、それほど簡単な話ではないかもしれない。

レート差の影響1  

2連鎖ダブルを発動したところ。
「通」では980点、「フィーバー」では850点となり、おじゃまぷよの発生量(落下得点は無視)は、それぞれ14個、7個となる。
「通」では潰しとしても催促としても十分な威力だが、「フィーバー」では威力不足である。
「通」ならば、相手がこれに対応できる小連鎖を持っていない場合は、かなり有利になる。

 

「通」では落下得点にも気をつける必要がある。
序盤は1手ごとに、10点前後の落下得点が入るので、10手目で約100点が蓄積される。
さらに、中盤まで一度も消さなければ、150点以上貯まることもある。
そうすると、次に消したときに2個のおじゃまぷよが追加されて降ってくる。
一見たいしたことはなさそうだが、単発消し(1連鎖)でもそれが降るので、潰しの連携の第一段階として使える。
例えば、中盤に落下得点を貯めた状態で1連鎖6連結を仕掛ければ、相手に対応する猶予を与える間もなく4〜5個(約1段)のおじゃまぷよを降らせられる。
相手が平坦に組んでいれば、これは潰しの連携に持って行くのに十分な量となる。
そのため、できる限り序盤は無駄に消さずに落下得点を貯めて、それを中盤以降に潰しの連携として利用できるようにすると良い。
「通」以外ではレートが120であるため、中盤まで消さなくてもおじゃまぷよは1個程度しか追加されない(シリーズによっては落下得点が無視されて1個も追加されない)。
なので、「通」ほど落下得点を気にすることはないだろう。

落下得点の影響1  

途中で一度も消さずに6連結の単発消しを仕掛けたところ。
「通」ならばこれで5個程度のおじゃまぷよが発生する。
これで相手の連鎖発動点が埋まれば、すぐに2連鎖ダブルの追い打ちを仕掛けて勝てる。
「SUN」以降では2個程度しかおじゃまぷよが発生しないので、相手の連鎖発動点を埋めるのは難しいし(おじゃまぷよの降る位置は決まっている)、2連鎖ダブルも追い打ちとしては威力が低い。
このような落下得点を絡めた潰しの連携は、「通」では非常に重要になる。

 

消去得点については、連鎖数によって考え方が異なる。
小連鎖領域(1〜4連鎖)では、特に多色ボーナスと多連結ボーナスに気を配る必要がある。
これらのボーナスはシリーズごとにバラバラなので一概には言えないが、とにかく多くのボーナスを得られるように消すべきである。
できるだけ少ない消去数で、より多くのおじゃまぷよを送るというのが重要な考え方になる。
「通」と「フィーバー」については上にまとめておいたので、大体の関係を覚えておくと、対戦時に潰しや催促をより有効に使えるだろう。
重要なポイントとして、「通」の小連鎖では、同じ個数のぷよを消すときに、連鎖数を減らして多色消しや多連結消しにしたほうが多くおじゃまぷよを送ることができる場合がある。
このような連鎖数と得点の逆転現象のせいで、一般的な感覚と点数が一致しないということが起こる。
この逆転現象の起こる原因は、「通」の多色ボーナスと多連結ボーナスが大きい値に設定されていることにある。
特に多連結ボーナスは、4連結と5連結で2の差があるため、得点に大きな影響を与える。
小連鎖戦が重要な位置を占める「通」において、小連鎖の威力は勝敗に直結するので、威力の関係をよく把握しておいたほうが良い。

効率的な小連鎖1  

4→5+5の2連鎖ダブルを発動したところ。
このように消せば、多色ボーナスも多連結ボーナスも得られる。
上の表にもあるが、「通」での連鎖得点は1540点(おじゃまぷよ22個)で、4個消しの2連鎖ダブルよりも1段半多くおじゃまぷよが発生する。
「通」の小連鎖に関しては、5連結多色消しが強力で、4→5+5の2連鎖ダブルは、4→5→5の3連鎖(1440点)や4→4→6の3連鎖(1500点)よりも威力が高くなる(逆転現象)。
「フィーバー」でも、この2連鎖ダブルは10個のおじゃまぷよが発生するので、かろうじて潰しとして使える(逆転現象は起こらない)。

 

大連鎖領域(8連鎖以上)で重要になってくるのがぷよ消去数である。
大連鎖領域以外でも消去数は重要だが、大連鎖領域では連鎖数以上に消去数が重要であることに気を付けなくてはいけない。
計算式を見て分かるように、ぷよ消去数は掛け算で消去得点に影響する。
4個消しを基本とした場合、多連結ボーナスの細かい増加を無視しても、5個消しになると消去得点は一気に25%アップ、6個消しでは1.5倍である。
一方で連鎖ボーナスは、8連鎖以上では1連鎖増えても25%も増加しない(ボーナス値32の増加が、元の値と比べて小さい)。
もし、10連鎖目に6個消しをしたとすると、本来8960点のところが、1.5倍(+連結ボーナス増加)で13620点となる(「通」の場合)。
これは14連鎖目の消去得点とほぼ同等の威力である。
つまり、大連鎖の連鎖尾では、連鎖数を上げるよりも、多色同時消しや多連結でも良いのでとにかく総消去数を上げることが大切なのである。
総消去数さえ多ければ、連鎖数など簡単に覆せる。
逆に言うと、連鎖数が異なっても、連鎖尾で同等の数のぷよが消えている限りは、威力はさほど変わらない。
「通」では(「SUN」、「よ〜ん」もほぼ同じ)5連鎖以上のとき、n連鎖とn-1連鎖2色消しの得点差は1040点(「通」のおじゃまぷよ2段半相当)とかなり小さい。
n連鎖とn-2連鎖3色消しの得点差は、3120点と無視できる量ではないが、これも消去数による得点変化と比較するとそれほど気にはならない(8連鎖以上のトリプルならば、ぷよ2個分の消去差よりも小さい)。
ただし、当然ではあるが、連鎖尾以外の場所での多色消しや多連結は大幅な得点の損失になるので、避けなくてはいけない。
また、例外的に「フィーバー」では、大連鎖領域での連鎖ボーナスの伸び率が高いため、連鎖尾でも極力同時消しは避けたほうが良い。

大連鎖の得点関係1(消去数小)  
6−A

12連鎖を発動したところ。
連鎖尾は同時消しになることなく綺麗に連鎖になるが、消え残りのぷよがいくらか生じている。
自然な流れでこのような連鎖尾になったのなら問題ないが、綺麗に連鎖尾を組もうとしてごみぷよが発生したのならば決して良いとは言えない。
「通」ならば60240点で、860個のおじゃまぷよが発生する。
「フィーバー」ならば69170点になる。

大連鎖の得点関係1(消去数大)  
6−B

10連鎖トリプルを発動したところ。
連鎖尾は3色同時消しだが、消える個数はこちらの方が3個分多い。
連鎖尾では連鎖数よりも消去数が大切なので、上の連鎖よりもこちらの方が良い形である。
「通」ならば64920点で、927個のおじゃまぷよが発生する(上の連鎖よりも60個以上多い)。
「フィーバー」ならば70190点になる。
「フィーバー」ではいまいちだが、「通」(「SUN」、「よ〜ん」)ならば、連鎖尾での消去数の増加は非常に強力である。

 

とりあえず、おじゃまぷよ算に関してはこのくらい知っておけば十分だろう。
得点計算方法を理解した上で、より効果的な組みを目指していこう。
これを理解して連鎖を組んでいるかどうかで、勝率にも差が生じてくるはずである。

 

どうでも良いことだが、筆者の感覚としては、「通」はおじゃまぷよが大量に発生しすぎで、それ以外は少なすぎるというように感じる。
基本的に「通」がベストなバランスだと思うが、連結ボーナスを「SUN」方式にしたり、レートを80にしたりしていれば、もっと良かったような気がしないでもない。
なお、実際は「元祖ぷよぷよ」や「フィーバー2」、携帯機シリーズと他にもあるのだが、筆者はそこまでは把握していないため、紹介することはできない。
さらに、ここで紹介した計算は、あくまで「ふたりでぷよぷよ(中辛)」のものであって、「ひとりで〜」や「とことん〜」では計算(連鎖ボーナス等)が異なるということに注意しよう。