これまでは、基本的なずらしや挟みの連鎖を中心に紹介してきた。
しかし、それは連鎖の全てではない。
基本連鎖を組み合わせることによって、もっと自由に連鎖を組むことができる。
それによって連鎖の形に幅ができれば、無駄なく連鎖を組んだり崩れた形を修復したり高度な戦略に応用したりできるようになる。
ここでは、基本連鎖の応用による特殊な連鎖や連鎖技術について紹介する。
多種多様な連鎖や連鎖技術を厳密に分類することは難しいが、ある程度の区分ごとに説明していく。
なお、分類に伴う名称は、便宜上ここで独自に決めたものなので、一般性はない。
1.1−A
基本連鎖のみからなる連鎖。 |
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1.1−B
特殊連鎖を含む連鎖。 |
列ずらしは、ずらし系連鎖に分類される連鎖構築法である。
積み上げたぷよの山の下の方をずらし、離れた上の方へと連鎖を繋げるのが列ずらしである。
列間のずれをうまく利用することで、より高度なずらし系連鎖を作ることができる。
下のほうから一列ずらして連鎖にするのが単純列ずらしである。
ずれる形を作った後、隣接する位置に連鎖を作らず、上のほうにそのずれで繋がるようにぷよを配置する。
上に連鎖を繋げた後は、そこから下へと連鎖が進行するようにするのが一般的である。
連鎖間に距離があるので、同色へと連鎖を繋げることも可能である。
2.1
列ずらしを利用した連鎖。 |
2.2
列ずらしで同色に繋げた連鎖。 |
1列だけをずらすのではなく、2列以上をまとめて(段差をつけて)ずらすのが複列ずらしである。
複数列をずらすことによって、うまく同色が横に揃うようにして連鎖にする。
2.3
基本的な複列ずらし。 |
2.4
下部連鎖の形を利用した複列ずらし。 |
1回のずらしで連鎖にするのではなく、特定の列で複数回ずらして連鎖にするのが多重列ずらしである。
1回ごとのずれによって、上の並びがどのように変わるかを追うことによって連鎖を作ることができる。
回数が増えると、ずれ関係を追うのが困難になるので、多重化はほどほどにしておいた方が良いだろう。
2.5
2列系の多重列ずらし。 |
2.6
3列系の多重列ずらし。 |
2.7
重ね系の多重列ずらし。 |
逆挟み込みは、挟み込み連鎖の特殊な形である。
一般的な挟み込み連鎖では一方向へと挟みを並べていくが、逆挟み込みでは上に挟み込みを乗せることによって、逆方向の挟み込み連鎖を構築する。
綺麗にぷよを消してしまうのではなく、挟みの土台となるぷよを下に仕込んでおくのがコツである。
挟み込みの中間ぷよに相当するぷよを前の列のぷよの上に乗せることで、単純な逆挟み込み連鎖となる。
単に方向が違うだけで、原理は普通の挟み込み連鎖と同じである。
連鎖数が少ないうちは簡単だが、逆挟み込みを重ねると分かりにくくなってくる。
3.1
基本的な逆挟み込み連鎖。 |
3.2
一般的な逆挟み込み連鎖。 |
3列以上を使った逆挟み込みが、複列逆挟み込みである。
ずらし的要素が含まれてくるので、やや難易度が高い。
3.3
3列の逆挟み込み連鎖。 |
3.4
折り返し部分に逆挟み込みを利用したもの。 |
逆挟み込みのために仕込むぷよを1色だけにするのではなく、2色以上まとめて仕込むのが多重逆挟み込みである。
どのような順でどの色のぷよが仕込まれているのかに注意することが大切である。
3.5
2列の多重逆挟み込み連鎖。 |
3.6
3列の多重逆挟み込み連鎖。 |
特定の色のぷよを散らして配置し、最終的にそれらが残って消えるようにするのが拡散である。
消え残るぷよや、ぷよが消えた後の最終形に気を配ることで組むことができる。
連鎖の最後の付け足しや、埋め込まれたゴミぷよの回収などに用いると効果的である。
主に凹凸のあるぷよの上に特定の色のぷよを乗せて、最後に消えるようにするのが単純拡散である。
手軽に1連鎖追加する方法として有効である。
ただし、同色のぷよが分散しやすく、融通は利きにくいので注意も必要である。
4.1
基本的な拡散連鎖。 |
4.2
単純拡散の例。 |
消え残りのぷよに注目し、そのぷよと同じ色のぷよを必要なだけ上に追加するのが拡散回収である。
ゴミぷよを再利用するための有効な手段となる。
4.3
拡散回収による連鎖。 |
4.4
遠距離の拡散回収。 |
複数回のずらしや挟みによって連鎖を繋げる方法が多段化である。
ずらしや挟みを重ねることで、組むことができる。
非常に応用幅が広く、これによって連鎖のバリエーションを大幅に増やすことができる。
特に、多段化によって、既存の連鎖を拡張する方法は非常に重要である。
2連鎖以上の連鎖によってずらして連鎖を繋げるのが多段ずらしである。
1回目の連鎖で繋げず、2回目(以降)が消えた後に繋げるようにする。
5.1
簡単な多段ずらし連鎖。 |
5.2
階段連鎖の折り返し。 |
5.3−A
一般的な連鎖。 |
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5.3−B
多段ずらしによる連鎖の拡張。 |
挟み込みで、間に2連鎖以上を挟んでおくのが多段挟みである。
拡張性に富んでおり、通常の挟みから多段挟みへと隙なく移行することもできる。
5.4
多段挟み込みによる折り返し。 |
5.5
多段挟み込みによる連鎖。 |
5.6−A
一般的な連鎖。 |
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5.6−B
多段挟みで拡張した連鎖。 |
主に組みの効率化の目的で、ぷよを奥まで侵入させて連鎖に組み込むことができる。
先の連鎖まで視野に入れておくことで、後の連鎖までまとめて組める。
5.7
侵入を利用した連鎖。 |
5.8
侵入を利用した連鎖。 |
連続した連鎖の部分を多段化するのではなく、離れた連鎖を多段に組むのが遠距離多段化である。
感覚としては、3連鎖目を組むのに1連鎖目を多段に組み込むといったところである。
離れた部分まで多段化の視野を広げることで組むことができる。
5.9
遠距離多段化による複雑な連鎖。 |
5.10
遠距離多段を利用して組み換えた連鎖。 |
それまで組んでいた連鎖のぷよの消え方を逆転させることで、それまでとは全く異なる新しい連鎖にするのが連鎖逆転である。
柔軟に変形しやすいぷよの配置や広い視野などを要求される高度な連鎖組み換え技術である。
本来の連鎖の発火が難しくなったときには、連鎖逆転を視野に入れることも重要になる。
中盤での連鎖対応などで、部分的に連鎖逆転させるようなケースも多い。
3連結のぷよを土台にしていると、比較的逆転させやすい。
連鎖の一部を連鎖逆転するのが、部分連鎖逆転である。
逆転させた部分を、切り離して小連鎖として利用したり、そのまま後の連鎖に繋いで大きな連鎖にしたりできる。
使いこなせれば、いろいろと応用が利く。
6.1−A
普通の基本連鎖。 |
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6.1−B
部分連鎖逆転させたところ。 |
6.2−A
基本連鎖。 |
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6.2−B
部分連鎖逆転させた連鎖。 |
連鎖全体を連鎖逆転するのが、完全連鎖逆転である。
連鎖発火点がおじゃまぷよに埋められ、連鎖尾が埋まっていないようなときに、これで修復できる場合がある。
また、相手を混乱させる目的で、完全連鎖逆転を利用するのも有効である。
6.3−A
普通に連鎖を組んでいるところ。 |
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6.3−B
連鎖逆転による連鎖。 |
6.4−A
一般的な連鎖。 |
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6.4−B
連鎖逆転させたところ。 |
順方向の連鎖も維持しつつ、同時に逆方向連鎖も組むのが可逆化である。
どちらからも発火できるため、隙はできにくい。
しかし、難しすぎる上に発火できるのは片方だけなので、恩恵はそれほど大きくないかもしれない。
6.5
純正階段連鎖による可逆連鎖。 |
6.6
通常連鎖による可逆連鎖。 |
複数の色のぷよを同時に消えるようにするのが同時消しである。
ずらしや挟みを複数色のぷよに対して適用することで組むことができる。
ぷよぷよ対戦では、連鎖として繋げるよりも同時消しで一気に消した方が良いことも多いので、同時消しは必ずマスターしなくてはならない。
列ずらしで複数色を同時に消えるようにするのが複ずらし同時消しである。
下のほうからずらすことで、大規模な同時消しを組むことができる。
7.1
ずらしによる3色同時消し。 |
7.2
ずらしによる4色(5組)同時消し。 |
特定の色のぷよで、複数の色ぷよの挟み込みを行い、同時消しにするのが複挟み同時消しである。
挟み方を工夫すると、分かりにくい同時消しを組むことができる。
7.3
挟みによる3色同時消し。 |
7.4
挟みによる2色同時消し。 |
ずらしと挟み込みを同時に利用して複数色を消すのが、ずらし挟み同時消しである。
挟み込みを先に作っておき、その上にずらしを重ねるような組み方をする。
通常連鎖を途中で分断するときなどに良く用いられる。
7.5
ずらしと挟みによる2色同時消し。 |
7.6
ずらしと挟みによる3色(4組)同時消し。 |
13段目以降でぷよを4個繋げておき、それが12段目以下に出てきたときに消えるようにするのが場外連結である。
ぷよぷよでは、場外にあるぷよは繋がっていても消えないという性質を利用したもので、ずらし系にも挟み系にも分類されない特殊な連鎖である。
連鎖尾で連鎖の威力を高めるために用いると有効である。
8.1
場外連結を利用した連鎖尾同時消し。 |
8.2
場外連結で上部の連鎖を伸ばしたところ。 |
特定の色の組み合わせの組ぷよを利用して連鎖を開始するのが1/8発火である。
異なる2色からなる特定の組ぷよが来る確率が、数学的確率上1/8になるためにこのように呼ばれる。
通常の連鎖発火が難しいときに、1/8の組ぷよで発火できるような形を作ることもある。
基本的には避けた方が良い形ではあるが、発火までの手数に余裕があるときは1/8待ちもそこそこ期待できるということを覚えておくと良い。
また、1/8発火を利用して同時消しを撃つというのは、重要な攻めの手筋である。
9.1
1/8発火で発火できる連鎖。 |
9.2
1/8発火で発火できる2連鎖同時消し。 |
本来の連鎖発火点以外からでも緊急発火できるように、複数色の発火点を露出させておくのが多色発火点である。
連鎖の途中部分を構成する色ぷよを埋めきってしまわないようにすることで組むことができる。
多少暴発はしやすくなるが、緊急時に複数の色から発火できるというのは大きい。
10.1
多色発火可能な連鎖。 |
10.2
多色発火可能な連鎖。 |
これまで紹介してきた連鎖技術を自由に使えるようになると、非常に連鎖の形の幅が広がる。
様々な連鎖技術を利用して、より無駄なく隙なく連鎖を構築していくことが実戦では重要になる。
また、連鎖技術を巧みに利用することで相手を混乱させるといったようなことも高度な対戦では必要になる場合がある。
11.1−A
一般的な連鎖。 |
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11.1−B
普通に連鎖を伸ばしたところ。 |
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11.1−C
さらに連鎖を伸ばしたところ。 |
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11.1−D
一通り連鎖を完成させたところ。 |
11.2−A
一般的な連鎖。 |
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11.2−B
連鎖を組み進めたところ。 |
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11.2−C
さらに連鎖を伸ばしたところ。 |
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11.2−D
第二折り返しまで完成させたところ。 |
11.3−A
一般的な連鎖。 |
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11.3−B
連鎖を伸ばしたところ。 |
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11.3−C
さらに連鎖を伸ばしたところ。 |
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11.3−D
連鎖を完成させたところ。 |
11.4−A
一般的な連鎖。 |
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11.4−B
普通に連鎖を伸ばしたところ。 |
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11.4−C
さらに連鎖を伸ばしたところ。 |
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11.4−D
連鎖を完成させたところ。 |
新しい連鎖技術を身に付けていくには、とにかく視野を広げることが大切である。
いつも連鎖の発火点から普通に伸ばすことだけしか見えていないのでは発展性がない。
現在の連鎖の形からどのような連鎖の発展・組み換えが可能かを考えながら、時には(とことんモードなどで)ゆっくり組んでみることも大事である。
紙に連鎖形を書いて、じっくり考えるというのも良いだろう。
どれだけ深い連鎖技術を持っているか(連鎖力)は、ぷよぷよ対戦において大きく勝率を左右する。
この段階で全ての技術を身に付ける必要はないが、少しずつ連鎖の幅を広げていこう。